俳句の会

俳句の会「交譲葉」令和2年3月句会報告

開催日時  令和2年3月28日(土)

開催場所  通信句会

参加者   宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名

兼 題   「啓蟄」一切

選 句   7点句(1)、5点句(1)、4点句(1)、3点句(2)、2点句(7)

1点句(4)を選句した。

(7点句)

菜の花の穂波に光る面輪かな・・・・・・・・・菅原 互酬

(選評)

春光降り注ぐ一面の菜の花畑に佇む人の顔に光が踊っている。大景から小景へと視線が移ってクローズアップが鮮やかに効いているのがよく、秀句とする。(悠閑亭徹心)

(5点句)

石垣のすき間にすずめ春寒し・・・・・・・・・武   美

(選評)

入院していた時、部屋から電線に並んで止まっているすずめを数えるのが日課になっていました。この句は一羽のすずめが石垣のすき間で日なたぼっこでもしているところを詠んだのでしょうか。なんだか童画のひとこまを見ているようでした。 (小西 小牧)

(4点句)

みな自粛悲しいほどの春の空・・・・・・・・・小西 小牧

(選評)

コロナ・ウイルス騒ぎで、何もかも自粛を強いられ、家に閉じこもっている。外には麗らか
に晴れた春の空が広がっている。

それを悲しいと感じるところに俳味がある。(夢   心)

(3点句)

春場所やしじまの中の大勝負・・・・・・・・・夢   心

わらべ歌うたひし姉の庭に春・・・・・・・・・鷹   嘴

(2点句)

木の芽和え妻とワインとヴィヴァルデイ・・・・悠閑亭徹心

啓蟄や虫も思案の地上かな・・・・・・・・・・小西 小牧

ウィルスに啓蟄の虫後退り・・・・・・・・・・漆野 達磨

凍裂の叫びきこゆる北の国・・・・・・・・・・鴇  香子

蝶一羽花に止まりて首傾げ・・・・・・・・・・青木 艸寛

啓蟄やうたた寝米寿も電話口・・・・・・・・・武   美

啓蟄や何はさて置き裏戸開け・・・・・・・・・菅原 互酬

(1点句)

啓蟄やネットを断ちて世に交じり・・・・・・・悠閑亭徹心

啓蟄を見下ろす安堵の日和かな・・・・・・・・青木 艸寛

春風に栞挟んで読書止め・・・・・・・・・・・菅原 互酬

啓蟄や吟行の目は潤へり・・・・・・・・・・・鷹   嘴

(投句)

(投 句)

啓蟄やくちなはの君冷ややかに・・・・・・・・悠閑亭徹心

束の間の桜を愛でてスーパーへ・・小西 小牧
公魚や釣り穴見上げ突(つつ)く餌・・・・・・漆野 達磨
震災の語り部したしと卒業す・・・・・・・・・漆野 達磨
啓蟄やゆるりゆるりと顔を出す・・・・・・・・鴇  香子
咲き満ちて見上げる頬にひとひらや・・・・・・鴇  香子
花冷や路傍の小石話しかけ・・・・・・・・・・青木 艸寛
規制解け校庭はじけ春笑う・・・・・・・・・・武   美
啓蟄やコロナ・ウイルス拡散す・・・・・・・・夢   心
選抜の球児の夢や春の雪・・・・・・・・・・・夢   心
焼跡を歩きし足に灸す春・・・・・・・・・・・鷹   嘴
啓蟄や外の世界閑かなり・・・・・・・・・・・待糸 史敝

宴なく今年の桜さみしくて・・・・・・・・・・待糸 史敝
霙ふりそれでも桜開きたり・・・・・・・・・・待糸 史敝

句会後記(青木 艸寛)

 

顔を合わせながらの句会と違い、満足できないものが心に残りますが、それでも会が続いていくということに意味を感じます。また、今回の句のレベルが高かったということは、おそらく、皆さんの感想なのではないかと思います。

初の試みですが、是非皆さんのお知恵を総動員して、より満足のいく『通信句会』にしていきたいものと思います。