① 開催日時 令和元年1.25(土)10:00~12:00
② 開催場所 生涯学習センター C―201会議室
③ 参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・森川・菅原・安居・松井の9名
投句は10名
④ 兼 題 兼題「初夢」一切
⑤ 選 句 6句(1),5点句(1)、4点句(4)、2点句(3)、1点句(7)
を選句した。
(6点句)
初夢を笑い飛ばして獏にあげ・・・・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)
初夢そのものではなくその後の対処方法に目を向けたことが面白いと思いました。おおらかに「笑い飛ばして」、「獏にあげ」と強気な姿勢。小さなことにくよくよしないで前向きに捉えて過ごしたらきっとハッピーな人生になることでしょうね。新年早々気分が軽くなる句に出会いました。ところでどんな夢だったのでしょうか。気になります。
(武 美)
(5点句)
義母逝きて賀状なき春静かなり・・・・・・・・・・青木 艸寛
身内の人が亡くなって、悲しみの内に葬儀を終えて一段落とはなるが、年末が近付くと喪中につき年賀欠礼の通知を出すことになる。当然のことながら、何処からも年賀状は来ないし、新春を寿ぐ飾りや行事も差し控えるので静かな正月となる。
静かなりと言い切った中には、あらためて亡くなった人を偲び、追悼する気持ちが強く込められているのである。(夢 心)
(4点句)
初暦また一年の日々を編む・・・・・・・・・・・・・・・・小西 小牧
自然に浮かんだ用語、これが一番わかりやすくて良い句だと思います。編むという表現が工夫されており、いろいろなことが想像されます。編み物をするかのように、またゼロから一つ一つ作っていく、一年間、また動き始める。この様が目に浮かんできます。
(青木 艸寛)
亡き人に似た人の背に斑雪(はだれゆき)・・・・・・・・・・鴇 香子
(選評)
はらはらとまばらに雪が降っている夕方、買い物帰りに街を歩いていた。ふと前を見るともなしに見ると、数年前に逝った連れ合いが歩いている。
そんなことはある筈がない。然し、本当によく似た後ろ姿で、あの人と暮らした来し方が脳裏に浮かび、胸がキュンと高鳴った。という状況だろうか、
哀切な女性の想いが読む者に伝わってくる句だ。 (悠閑亭徹心)
相変わらずと云える幸せ年迎ふ・・・・・・・・・・・・・・夢 心
これまでも「相変わらずよ」と言う言い方はよくしていましたがどちらかというと自嘲的に使つていました。
しかし、昨今それがどんなに有難い毛とか知らされました。若いグループでは共感を呼ばないのではという意見もあり一理あるとは思います。
ただ、正に今の私の心境にピッタリの句でした。
(小西 小牧)
寿ぎの六段の調肌で聴く・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
もう邦楽を番組として流すのは、正月のEテレくらいになってしまった。
正月でないと聞けないかというと決してそうではなく、細々ではあるが、筝曲、尺八、三味線の演奏会もあるにはある。会場で聞くのもそれなりにいいものではあるが、句の作者は家の近くの公園で聞いたそうである。本当に近くで味わえる訳であり、そういう状況を知ると『肌で聴く』という句が生き生きと感じられる。
『寿ぐ』という語も、まさに新年の清々しさを想わせ、新年にふさわしい句である。 (待糸 史敝)
(2点句)
初夢を視ずに過ごしてはや七日・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
足かばう吾に合わせてや初詣・・・・・・・・・・・・・小西 小牧
絵も文も指一本の賀状かな・・・・・・・・・・・・・・武 美
(1点句)
戦闘のモードに切り替え初仕事・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
初夢やしだいに現の夢と化す・・・・・・・・・・・・・小西 小牧
初夢を見ずに終わる子年かな・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
小春日や猫もいそいそ庭散歩・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
初夢や余裕で泳ぐ千五百・・・・・・・・・・・・・・・夢 心
初夢を燠火のごとく胸に秘め・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
日脚伸ぶ太極拳の息遣い・・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
(投句)
初夢や超絶技巧の映像で・・・・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
初夢やロボットに勝ちて職得たり・・・・・・・・・・・漆野 達磨
去年今年一喜一憂シード権・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
羽根突きや電灯点きて家路着く・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
初夢よいづこ去りしか朝日照る・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
大吟醸香り残して初詣・・・・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
初夢の霧の海原ただよへり・・・・・・・・・・・・・・武 美
電話口深々おじぎ御慶かな・・・・・・・・・・・・・・武 美
初泳ぎやっと六百クリヤーし・・・・・・・・・・・・・夢 心
初春に舞い降りし孫息子咲・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
黒煙や土手に人々大晦日・・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
初夢でドストエフスキー読んでいた・・・・・・・・・・待糸 史敝
声からし箱根駅伝シード取れ・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
ノーサイド『荒ぶる』うたうラガアマン・・・・・・・・待糸 史敝
⑥ 句会後記(鴇 香子)
透析を受けていると暮れもお正月もなく病院通いなので日月の2日の休みだけがのんびりできる嬉しい日です。その日に兼題の俳句を作ろうと思ってもなかなかいい言葉が浮かびません。
思いを素直に表現できないもどかしさにこの数年悩んでいます。それでもほかの方の俳句を読ませていただくといろいろと参考になることもあり、新しい言葉の発見もあり、ありがたく思っています。
みんな一様に年を取り、このままずっと俳句の仲間として続けられたらいいなと願っています。
(以 上)