俳句の会「交譲葉」30年1月句会報告 |
- 開催日時 30.1.27(土)10:00~12:00
- 開催場所 生涯学習センター C―201会議室
- 参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・森川・安居の7名(投句は9名)
- 兼 題 兼題「正月」
- 選 句 9点句(1)、5点句(1)、3点句(1)、2点句(3)、1点句(9)を選句した。 (9点句)多国語の飛び交う街の初もうで・・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)
一読してこれは東京浅草寺の初詣を詠んだ句だと思った。作者の言葉によると果たしてそうであった。句を読んだ時にその景色がすぐ浮かんで来るのがよいとして選句している。諸外国にも年の初めにあらたまってお参りをする習慣があるのだろうか。浅草寺は観光の名所として普段でも大勢の外国人が訪れている。
昔、江東区ミレニアムホールで合唱の演奏会をやって、神谷バーで打ち上げをしたあげく、雷門前で皆で歌ったら、まわりに人垣が出来て、外国人の観光客に声をかけられたことがあったのを思い出した。(夢 心)
(5点句)
廃校の塀に寄り添い寒椿・・・・・・・・・・・・小西 小牧
(選評)
何とも寒々しい句(出来ではなく内容)です。廃校が決まり誰もいなくなった校舎、校庭、それを囲むコンクリートの塀やフェンスといった情景が浮かびます。そして、その際に植えられた椿だけが寂しげに赤い花を咲かせているのです。
句会の数日前に四十八年ぶりの低気温を記録するほど、この冬は寒く共感することは容易でした。
なお、“寒椿”を上五にする語順ではどうかという感想もありました。(鷹 嘴)
(3点句)
大雪の映像寒し炬燵入る・・・・・・・・・・・・鴇 香子
(2点句
夜静寂(しじま)畳に三片(みひら)寒椿・・・・悠閑亭徹心
新聞を運ぶ男児の初しごと・・・・・・・・・・・漆野 達磨
正月や父の享年越えにけり・・・・・・・・・・・夢 心
(1点句)
正月も二日はてんでに予定あり・・・・・・・・・小西 小牧
階段を走る孫らのお正月・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
お正月「何がめでたい」石を蹴り・・・・・・・・鴇 香子
あと三月(みつき)定年迫る冬の朝・・・・・・・鴇 香子
寄鍋や静ないくさ具探しに・・・・・・・・・・・ 青木 艸寛
食べ話し尽きぬ団らん夢正月・・・・・・・・・・ 武 美
御神籤の教え鮮やか初笑い・・・・・・・・・・・ 武 美
年新たモルゲンロートの光浴び・・・・・・・・・菅原 互酬
境内で挨拶交わすお正月・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
元朝や淑気感じつ霊前に・・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
留学す息子にはなむけ屠蘇交はす・・・・・・・・・悠閑亭徹心
家在りし広い更地に日脚伸ぶ・・・・・・・・・・・小西 小牧
お年玉親へ照れをる息子かな・・・・・・・・・・・漆野 達磨吉事なり全員出席新年会・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
大雪夜静寂のみが過ぎ行けり・・・・・・・・・・・青木 艸寛
梯子乗り強き掛け声時を止め・・・・・・・・・・・武 美
年の暮夜回りをして打ち上げぬ・・・・・・・・・・夢 心
冬晴れやボール蹴りあう子らの声・・・・・・・・・夢 心
恵まれた愛運縁恩去年今年・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
自転車の両手放して冬休・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
旅先の朋友(とも)より葉書冬夕焼(ふゆゆやけ)・・ 鷹 嘴
- 句会後記(青木 艸寛)
最高得点9点の互酬さんの句は、時節をうまく表現した句です。浅草寺での体験が素直に句となったといえます。平成三十年初の句会でした。交譲葉(ゆずりは)句会が6年続いたというとが、われわれの自信です。
本年も何が起きるかわからない年です。
予期せぬ現象に負げず、全員健康に平成を卒業したいものです。 (以上)