2022年 04月 23日
流山稲門会 |
流山稲門会
俳句の会報告【交譲葉】 令和四年一月句会(第一一六回) 兼 題 [ 一月 ] 開催日 令和四年一月二十二日 開催場所 流山市生涯学習センターの予定を変更し通信句会 投句者 十一名 投句数 総計三十三句 |
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(五点句)
- 万両の濃き紅に古希を知る (青木艸寛)
選評…まず万両と古希の取り合わせに惹かれた。千両よりも実が大きく紅も濃く冬中実が落ちない。
作者はその万両に古希を迎えた自分を見ている。良い年の取り方をしてきたのであろうと思わせてくれる。 (小西 小牧記)
(四点句)
- 一月の夕焼けの中の切り絵富士 (菅原 互酬)
選評…私の旧職場は、毎日朝夕富士山の見える静岡県にありました。いろいろな富士山を瞼におさめましたが、
夕焼けの赤富士は切り絵そのものでした。めったにお目にかかれることはありません。瞬間を捉え、句に仕上げる。
これがやはり俳句の醍醐味ですね。 (青木 艸寛記)
- 一願の秘めたる思ひ初詣 ( 相原 則子)
選評…一つの秘めている思いを初詣の願掛けとするという句であるが、秘めたる思いとは何だろうかと観者に考えさせ、
想像させる力がある。身体の不具合からの回復、家族の不和の修復、はたまた金銭の事、いや色恋の事、更には人類の
未来等拙は想像を逞しくした。 (悠閑亭徹心記)
(三点句)
生きてきた一月迎えもう一年 青木 艸寛
(二点句)
一月は芭蕉のあの句和暦や 小西 小牧
一月や竹馬チャンバラ好勝負 漆野 達磨
一月の御空よほんに青きこと 安居 利博
一月の笠間の杜は濃くありし 相原則子
鉢植えの一月の場所定まらぬ 武小川寿歩
冬鳥の赤き実口に飛び立ちぬ 鴇 香子
寒風に楕円の球は突き進む 待糸 史敝
よちよちとペンギン歩き凍ての道 夢 心
降る雪や万物覆い隠すなり 夢 心
二年ぶり孫お年玉恥じらいて 漆野 達磨
ふわふわと天より舞いて冬を蒔く 菅原互酬
(一点句)
餡雑煮ふるさと遠く祖母の味 小西 小牧
福寿草毒を匿して清げなり 悠閑亭徹心
一月の一ぞ固くて重きもの 安居 利博
菜を洗ふ息を吹き掛け寒の入り 相原則子
初夢や何が見えたの孫が問う 青木 艸寛
初詣諸人祓うコロナの禍 悠閑亭徹心
(投 句)
一月やコロナ感染急拡大 夢 心
一月や校父大隈百遠忌(ひゃくおんき) 待糸 史敝
一月の白きもの降る枯れ枝に 鴇 香子
一月や虎寅虎が町に満ち 悠閑亭徹心
初詣ひらくお神籤射す光 菅原 互酬
雪下し来れば笑顔の老夫婦 漆野 達磨
一月の東京湾や光帯 安居 利博
雪の木々夜道を無垢に照らしをり 武小川寿歩
雪やんで庭石伝い朝刊を 小西 小牧
初雪に猫うづくまる膝の上 鴇 香子
初春の東の筑波西の富士 待糸 史敝
歌舞伎座や溢れんほどの初笑い 武小川寿歩
『句会後記 』
昨12月に次いで1月句会もリアルで行う事を楽しみにしていたが、蔓延防止等重点措置の発令のため残念ながら通信方式
となった。リアル句会で会員が顔合わせしながら、自句を語り、意見を交換し,字句についての蘊蓄を聞く楽しみは無いが
やむをえまい。さはさりとして、漆野世話人の後を継いだ青木世話人の仕切りで齟齬無く句会ができた事に謝意を表したい。
又、句会参加二度目の新人相原則子さんが前回に続き今回も高得点を得た事を記す。有望な会員の参加を寿ぎ、皆で歓迎した
い。 (悠閑亭徹心記)