2022年 04月 21日
流山稲門会 |
流山稲門会
俳句の会報告【交譲葉】 令和三年十二月句会(第一一五回) 兼 題 [ 冬木立 ] 開催日 令和三年十二月二十五日 開催場所 流山市生涯学習センター 参加者 八名(二名欠席) 投句者 九名 投句数 総計 三十句 |
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(四点句)
- 枯菊の匂いもほのと裏筑波( 相原 則子)
選評…この句を読んだまさにその日、私は筑波連山北部に位置する加波山に登り、麓では枯れ菊を目にしたのでありました。
これほど偶然自分に寄り添う句を秀句にしないわけにはいきません。作者は最近入会された方ですが、経験がおありとの
ことで点が入り句会に活気を与えています。中七を字余りにしない技術などは参考になります。 (安居 利博記)
- 雲流れまたながれゆく去年今年 (青木艸寛)
選評…私事ですが、句会の前日のゴルフの空は水色で雲が流れていました。平凡だったが過ぎ去った一年を振り返って、
年が明けてもこの素晴らしい仲間達と笑いながらゴルフがいつまで出来るのだろう…などと。もう数日でゆく年くる年の
心境が淡々と詠まれていて素敵な俳句と選らばせて頂きました。 ( 相原 則子)
- 街騒のブルース聞きて日記買ふ ( 相原 則子)
選評…コロナ禍での開放の句が現れました。暮れに来て街に人々の集いが始まりました。この町の喧噪の賑わいや会話を
ブルースと聞く、優雅ですね。来年は新しい手帳にびっしりとスケジュールが、書き込まれますように。 (菅原 互酬)
(三点句)
どの 枝もたつぷり陽ざし冬木立 武小川寿歩
白菜の汁にやさしさ含まれり 安居 利博
世話役の引継ぎ済みて年暮るる 漆野 達磨
(二点句)
天見上げ震え止らぬ冬木立 青木 艸寛
冬木立静まり返る朝かな 夢心
風なでる重き川面に冬木立 安居 利博
しあわせの胸まで浸りて柚子香る 菅原 互酬
冬の雨下校途中の居合い抜き 武小川寿歩
初めての子育て遠く佐賀みかん 小西小牧
(一点句)
移ろいの措くに能わぬ冬木立 菅原互酬
通学の児童見守る冬木立 待糸 史敝
クリスマス一日(ひとひ)限りの基督者(クリスチャン) 悠閑亭徹心
(投 句)
冬木立ツリー纏いて華やぎて 小西 小牧
階を我登りをり冬木立 相原 則子
背伸びして仲間誘いし冬木立 漆野 達磨
冬木立葬列の如ひめやかに 悠閑亭徹心
湯上がりに年越し軽ろく二人蕎麦 漆野 達磨
冬めきて過ぎし季節のエモーション 菅原 互酬
帰り花ひとり静香に輝けり 青木艸寛
裸木の風情妖しき逢魔時 悠閑亭徹心
堪えんかなコロナ長引く三冬目 待糸 史敝
年ごとに数の減りゆく年賀状 夢心
デルタからオミクロンへと年暮れぬ 夢心
見えねどもリゲルシリウスアルデバラン 安居 利博
大観も愛した老舗かぶら汁 小西 小牧
明日からは日も長くなる冬至かな 待糸 史敝
寒気来る耐えかねやもり床の上 武小川寿歩
『 句会後記』
十二月句会を終えることができました。一年半ぶりに顔を合わせての句会は、十月から三回目となります。
我々の句は、いかに自分をよく見るか、表現するかにかかっているといえます。難しさを感じながら、一句、一句とコロナに
負けずにつくりあげたいものです。 (青木 艸寛記)