<訪問先>
○ 寿福寺 鎌倉五山の一つ。非公開のため境内には入れないが、裏手の墓地には山を切り開いた間口2間、奥行き1間程度の「やぐら」と呼ばれる墓所に鎌倉時代、権力を欲しいままにしていた北条政子、源実朝ご両人のあまりにも質素お墓。
○ 英勝寺 鎌倉で唯一の 尼寺。寺域は太田道灌の子孫の家康側室お勝の方が創建し、住持は代々徳川水戸家の姫が務めた。境内に阿仏尼の卵塔がある。誰もいない受付の縫いぐるみのワンちゃんの頭を撫ぜたら本物のスコッチテリアでした。拝観料300円。訪ねる人もなく、台風に備えて閉じられていた本堂を開けてもらう。小さな庭に柿の実がたわわに実り、秋明菊の紅が迎えてくれました。(花の名称は秋田谷さんが携帯で奥様に聞いてくれました)他にも尼寺らしくホトトギスやジンジャー(花縮砂)など沢山のお花。
○ 浄光明寺 真言宗で開基は六代執権北条長時。長時は足利尊氏の妻登子の先祖。この関係から尊氏はこの寺で反後醍醐の旗揚げを画したといわれている。本尊の木造の阿弥陀三尊像は鎌倉地方彫刻の代表作。
○薬王寺 開山は日像上人。境内は狭いが参道の桜並木が有名。自由参観(但し境内のみ)
○ 海蔵寺 建長寺派の古刹。創建は建長5年(1253年)であるが鎌倉幕府滅亡時烏有に帰したが1394年鎌倉御所足利氏満により再建。薬師如来像が本尊。庭園は禅宗風の瀟洒。心字池を中心に様々な樹木、草花が植えられ、花の寺として人気がある。芙蓉、紫苑、萩など花の季節にまた来たいな。
今回の鎌倉散策でベストのお寺。小京都の印象を与える。秋の紅葉狩りにもお訪ずれたいい名刹。境内南に十六の井戸があり16穴(4×4)に水が枯れることなく満たされている。拝観料100円。十六井戸の前の住宅に台風の土砂崩れで埋まったマイカーが。
○ 化粧坂の切通し
気生坂の由来から「けわいざか」と呼ぶ。海蔵寺から源氏山公園に向かう道がこの切通しで、鎌倉七切通しの一つで藤沢と鎌倉を結ぶ道。鎌倉時代はこの辺は商業地域でまた処刑場もあった。短い距離ながら急坂で革靴、ハイヒールは不可。
○葛原ケ神社と日野俊基の墓大公孫樹が強風で真っ二つに引き裂かれ、お墓の上に倒れ自然災害の脅威を目の当たりにする。
○銭洗弁天 正式名は宇賀福神社。洞窟の中に湧水があり、この水でお金を洗うと倍になって戻るとの言い伝えがあり、現世利益を願う人達で賑わう。私も10円玉、100円玉を洗う。ここまで来ると人出もどっと増え観光地の様相。
○ 江の島神社 辺津宮、中津宮、奥津宮から成る。源頼朝が武運を祈願し弁天像を祀った。弁天は頼朝寄進の八臂弁財天と裸弁天で有名な妙音弁財天の二つがある。往復1,340段の階段で全員汗びっしょり。有料エスカレータは750円。
ここでも大公孫樹が根こそぎ倒されていて既に電動ノコギリで分断されていた。まな板にしたら良いそうです。転がっている丸太に栄養の行き届いた猫。シャッターチャンスを狙う素人カメラマン。「捨て猫基金」があって野良猫を数匹見かけました。
- 江の島岩屋 波の侵食により造られた洞窟で、奥行きは152mある。 20分の見学時間を惜しんで見学せず。海上バスは運休。
( 散策 後記 )
雨で1週間延期後の10.11(体育の日振り替え休日)開催のため参加者は8名と少数でしたが、奥野さんの鎌倉第二弾もすばらしく、懇切丁寧なガイド。特に海蔵寺を拝観しただけでも十分価値のある一日でした。11月には紅葉を観にもう一度訪れたいと思っています。若き頼朝、タイワンリスやトビ、カラス達と一緒に過ごした源氏山公園での昼食タイムでは、なんといっても鎌倉駅前でスタート前に購入した明治31年創業大船軒(社長は早稲田OB)の「鯵の押し寿司」が美味しく、鳥や花の名前、富士登山、散策記を書く人、勘弁して欲しい人などで話が弾みました。
高校時代を鎌倉で過ごした企画の奥野さんは今回も下見してガイド情報の入手、世話人の榎本さんには佐倉と連続で雨天延期の手配ありがとうございました。
今井さんには、お花の名前、階段の数、疲れきった帰りの階段でのドロップ(奥野さんも)など細い観察、山岳同好会の溝口さんには、切通しでのルート開拓、スポーツインストラクター牛島さんには細かい気配り、亀田さんには急な階段を躊躇しているメンバー(私のこと)への激励など皆様と楽しく、意義のある一日でした。
漆野達夫 (1967年 法学部卒)