俳句の会

俳句の会「交譲葉」令和2年7月句会報告

俳句の会「交譲葉」令和2年7月句会報告

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  1. 開催日   令和2年7月25日(土)
  2. 開催場所  通信句会
  3. 参加者   宮内・小西・漆野・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の9名
  4. 兼 題   「梅雨明」一切
  5. 選 句   6点句(1)、3点句(5)、2点句(6)、1点句(3)を選句した。

    (6点句)

    曝書して書斎ほんのり陽の匂い・・・・・・・・・悠閑亭徹心

    (選評)

    コロナ禍で巣ごもりを余儀なくされ、読書に専念なされた方も多いことでしょう。今ではあまり見られない風情ですが、

    「書籍を太陽の下に曝す」行為は本好き人のそれに対する愛情みたいなものを感じますね。

    書斎に射し込む陽の光、虫干しされて行く動き、ほんのりと香る匂い、いい感じですね。(菅原 互酬)

    (3点句)

    老妻の草刈る背中(せな)の虫払い・・・・・・・・悠閑亭徹心

    梅雨禍とコロナ禍の日々梅漬ける・・・・・・・・小西 小牧

    まっしぐら脇目もせずに蟻進む・・・・・・・・・青木 艸寛

    軒下の鳩したたるや梅雨厳し・・・・・・・・・・武   美

    閉店の張り紙縮れ梅雨明ける・・・・・・・・・・鷹   嘴

    (2点句)

    友人に引継ぎ一年梅雨明ける・・・・・・・・・・漆野 達磨

    テレ学習今どきの子らの夏休み・・・・・・・・・漆野 達磨

    夏草や実家の庭は伸び放題・・・・・・・・・・・青木 艸寛

    静かなる梅雨明け願う募金箱・・・・・・・・・・武   美

    梅雨明けてただただ大空屹立つ・・・・・・・・・菅原 互酬

    梅雨明けが待ち遠しくて空仰ぐ・・・・・・・・・待糸 史敝

    (1点句)

梅雨明けて空邪心なく澄み渡り・・・・・・・悠閑亭徹心

便利グッズ試す暇ありこの文月(ふみずき)・・小西 小牧

夕涼し草の葉揺れて供養の碑・・・・・・・・・・鷹   嘴                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

(投 句)

梅雨明の見えぬ庭先小鳥遊ぶ・・・・・・・・小西 小牧

光り充つ向日葵畑で鬼ごっこ・・・・・・・・・・漆野 達磨

雲溢れなかなか明けぬ梅雨の空・・・・・・・・・青木 艸寛

ありがたく夕張メロン四等分・・・・・・・・・・武   美

梅雨明けや災害ゴミの大連山・・・・・・・・・・夢   心

梅雨豪雨緑の山河泥の海・・・・・・・・・・・・夢   心

薮枯らし皐月すっぽり覆いけり・・・・・・・・・夢   心

涼風を迎えて和む花衣桁・・・・・・・・・・・・菅原 互酬

夏のれん三日続けて昼そーめん・・・・・・・・・菅原 互酬

門前にアマビエ像や梅雨明ける・・・・・・・・・鷹   嘴

散歩道常盤木落ち葉傍に見て・・・・・・・・・・待糸 史敝

鴎外忌津和野小倉も遠くなり・・・・・・・・・・待糸 史敝

  1. 句会後記 (鷹  嘴)

今月も先月同様にメールでの句会が行われました。兼題は“梅雨明”。この梅雨は長く、実際の梅雨明けを見ることなく各々想像力を駆使しての投句選句でした。
梅雨はいずれ明けますが、いつ明けるともしれぬはコロナ禍ですね。

思えばコロナ前は異常気象が続き、季語と実際とが齟齬をきたしていました。それがコロナ禍によって人間の活動が低下して空気が幾分清浄化したようです。

コロナ後は開発や大量消費をやめて、懐かしい感じがする未来を夢想しています。

(以  上)