俳句の会

俳句の会「交譲葉」令和元年8月句会報告

  1. 開催日時  令和元年8.24(土)10:00~12:00
  2. 開催場所  生涯学習センター C―201会議室
  3. 参加者   宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・安居・松井の8名       投句は10名
  4. 兼 題   兼題「花火」一切
  5. 選 句   4点句(5),3点句(3)、2点句(3)、1点句()を選句した。(4点句)    停車場に寄り添う日傘老夫婦・・・・・・・・・小西 小牧
     

    (選評) 

     今年の梅雨明け以降は、連日の真夏日、猛暑日であった。ニュースでもこれがトップを占めた。遂には「命を守る」ために自らを守って欲しいとまで言った。
    今までになかった言葉使いだった。テレビを見ていると、その暑さに、どの様な表情をし、どんな行動をしているかを映し出していた。今年は男性も日傘を使用し、また多くが販売されたと聞く。元号代わった令和元年の八月の日常的な光景の一つを、難しい言葉を使わないで、率直に表現した句である。
    (待糸 史敝)

    つんつんと猫の鼻先花茗荷・・・・・・・・・・鴇  香子

    (選評)

    つんつんと同音で韻を踏んでいて、読むだけで気持ちが良くなります。
    リズムよく、触覚、嗅覚、視覚が清涼感で満たされます、猛暑や孤独感を表す句が多かったのですが、それらを癒してくれる有難い句だと思いました。
    (鷹  嘴)

花火師の只管打坐(しかんたざ)の姿かな・・・・・菅原 互酬

(選評)

20年以上前になるでしょうか、ある宴会で、隣席に花火師をしているという60代半ばの人がおられました。その方が、花火をあげるまでの間は、表現ができないほどの緊張と恐怖の連続です。しかし、一旦打ち上げ作業を開始すれば、無心となり、恐怖はなくなります。その心境を表す、それが、まさに、只管打坐(しかんたざ)の姿そのものでした。
花火師にこんなにぴったりの表現があろうとは、この齢になり初めて知りました。(青木 艸寛)

手花火で八の字えがく笑顔かな・・・・・・・・鷹   嘴

 
(選評)

花火が年々豪華さを競うようになりショー化している昨今、手花火に目を向けたことで誰もが共通の思いを抱ける句になりました。小西 小牧)

嘴を逃れし蝉の羽音かな・・・・・・・・・・・鷹   嘴   

 
(選評)

まず蝉の羽音に注目したことに驚きました。次に詠まれているのは蝉と嘴なのに、向こうから羽根を広げた鳥が蝉に迫り蝉が慌てて逃げていく空間まで想像できます。
小さな世界に焦点を当てているにも拘わらず、広い空間と時間の流れまで描かれていることに感心しました。さらに、言葉に余計なものがないため緊張感が高められていると思いました。句会で、烏にくわえられた蝉がバタバタ羽音を立てて逃れるのを見て詠んだ句と知りました。まさに、羽音かな、ですね。
(武  美)

(3点句)
うんざりとおうむ返しす炎暑かな・・・・・・・小西 小牧
体細胞ゆるみとろける猛暑かな・・・・・・・・武   美
駄々捏ねて道に寝転ぶアブラゼミ・・・・・・・菅原 互酬

(2点句)
湖の上に(うみのえに)煌めき残し消ゆ花火 ・・小西 小牧
セミ鳴かぬ熱中症にかかりしか・・・・・・・・漆野 達磨
サングラス色の向こうに事実見え・・・・・・・青木 艸寛

(1点句)
切なさや刹那に消ゆる大花火・・・・・・・・・悠閑亭徹心
雨あがる重き荷背負いて蝸牛・・・・・・・・・漆野 達磨
炎帝や木陰探して買い物に・・・・・・・・・・鴇  香子
臓物に四尺花火が震え刺す・・・・・・・・・・青木 艸寛
白球も平和満喫甲子園・・・・・・・・・・・・待糸 史敝

(投 句)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  
パッと咲いて花火シュンと散り時季移る・・・・悠閑亭徹心  孤高の生意味沁みる夜遠花火・・・・・・・・・悠閑亭徹心
大花火遠き星より打ち上げし・・・・・・・・・漆野 達磨
歓声や耳をつんざく大花火・・・・・・・・・・鴇  香子
寝不足を補う昼寝古希なれば・・・・・・・・・青木 艸寛
揚花火告白の種夢開く・・・・・・・・・・・・武   美
大兜虫故郷遥かひとりぼち・・・・・・・・・・武   美
ナイターやその背景の揚花火・・・・・・・・・夢   心
櫓上踊り上手の手が揃い・・・・・・・・・・・夢   心
外ッ国の親子も混じる踊りの輪・・・・・・・・夢   心
猛暑超え暑き響きの極暑かな・・・・・・・・・菅原 互酬
朝露の草踏み分けて青菜摘む・・・・・・・・・鷹   嘴
海花火豪華雄大柏崎・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
奈良の夏若き日々友日吉館・・・・・・・・・・待糸 史敝  

  1. 句会後記(鷹  嘴

 出席者8名

、投句10名三十句、兼題は花火でした。前日の夜に流山の江戸川花火大会が行われましたが、投句の期限が前週であったため、各々の思い出や映像をもとに句を作ったようです。高得点句の五句は選評を読んでいただくとして、他にも体細胞ゆるみとろける猛暑かな(武 美)サングラス色の向こうに事実え(青木)は視点が斬新、興味深いという感想がありました。この二句で思い出したのが、この夏読んでいた虫や鳥が見ている世界(浅間茂著、中公新書)という本です。昆虫や鳥は人の見ることのできない紫外線を見ることが出来て、これを雌雄の識別や生存戦略に利用しているそうです。著者は私の高校時代、生物の授業やクラス担任でお世話になった恩師で、現在でもボルネオに行って夜のジャングルで写真を撮っているそうです。

新しい句作りのヒントにも、是非。

(以 上)