俳句の会

俳句の会「交譲葉」31年2月句会報告

開催日時  31.2.23(日)10:00~12:00

開催場所  生涯学習センター C―202会議室

参加者   宮内・小西・漆野・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の9名

兼 題   兼題「春寒し」

選 句   5点句(1)4点句(2)、3点句(4)、2点句(2)1点句(7)を選句した。

(5点句)

大雪の昭和も遥か兵の乱・・・・・・・・・待糸 史敞


(選評)  1932年の5.15事件の癒えぬ1936年の雪の日、帝都は驚愕の事態発生に再び震撼した。憂国の念にかられた近衛の青年将校に率いられた兵たちは岡田啓介首相他を襲ったのだ。統帥権を持つ天皇,陸軍内皇道派と統帥派の内訌、軍の発言力強化のための内閣との軋轢。  以降、日本は軍がより力を持ち戦争の時代に入る事になる。平成が終わりになる今、季語の“雪“から戦前昭和
のある意味象徴的な事件に発想し、詠んだのであろうか。
よく僅か17文字で表現したと感服した。新元号の時代に兵の乱も他国との戦争も起こらない事を祈る。  (悠閑亭徹心)

(4点句)

春寒やしばし耐えなむ花よ木よ・・・・・・悠閑亭徹心

(選評) 立春を過ぎても寒さが続いている。暖かな春の訪れを待ち、開花や芽吹きの準備をしているに違いない花             や木に、もう少し辛抱してほしいと呼び掛けているのである。

花や木に呼びかけると同時に、自分自身に対しても言い聞かせているのである。暖かな春の到来を待ち望んでいる作者の気持ちが、巧みに言い表わされていると思って選句した。

(夢  心)

釣銭を渡す手温し春隣・・・・・・・・・・鷹   嘴

(選評)

暦の上では春とはいえまだ寒い日が続く中、商店街の八百屋さんやらお肉屋さんやら対面販売のお店でしょうか、お釣りを受けとる際に触れた店員さんの指先が思いがけず温かく、そこに春の訪れを感じます。日常生活のハッとする瞬間を捉え、気負いなく

詠まれているところが良いなと思いました。また季語の『春隣』が新鮮で、描いた映像にぴったりです。
「自作を語る」によりますと、スーパーのレジの方が釣銭を落とさぬ配慮から手を握るように渡してくれて幸せな気持ちになった、とのことです。
俳句にはそれぞれの解釈で楽しむおもしろさがあります。(武  美)

(3点句)

春寒や猫をかまいつ独り酒・・・・・・・悠閑亭徹心

風花のひらりふわりと庭の隅・・・・・・小西 小牧

春信州光る街道里程標・・・・・・・・・菅原 互酬

国の背を走る列車や雪景色・・・・・・・鷹   嘴

(2点句)

二階から転げぬやうに年の豆・・・・・・漆野 達磨

春寒や又もマフラー序で買い・・・・・・菅原 互酬

(1点句)

庭木々の黄ばみ始めや春寒し ・・・・・ 小西 小牧

春寒し微動だにせぬ庭木かな・・・・・・青木 艸寛

末っ子の転居日決まる春寒し・・・・・・武   美

一粒に萬の思いやバレンタイン・・・・・武   美

心愛という名前覚えて春寒し・・・・・・夢   心

深層の源泉浸かり春の雪・・・・・・・・菅原 互酬

記紀からの建国神話梅二月・・・・・・・待糸 史敞

(投 句)

春寒は暖かさへのプレリュード・・・・・悠閑亭徹心

競う友なく寒夜の数独かな・・・・・・・小西 小牧

吾子いじめ耳ふさぎたや春寒し・・・・・漆野 達磨

還暦の友を祝へば睦月なり・・・・・・・漆野 達磨

里山に野焼きの煙迷い来て・・・・・・・青木 艸寛

草青む座り見上げる空碧し・・・・・・・青木 艸寛

三連休あけて気がつく紀元節・・・・・・武   美

寒木瓜の莟次々膨らみぬ・・・・・・・・夢   心

黒土に落ちて消えゆく春の雪・・・・・・夢   心

刑務所で詩を詠む君よ春寒し・・・・・・鷹   嘴

「選抜」が待ち遠しくて春寒し・・・・・・待糸 史敞

句会後記(菅原 互酬)

春麗らかな暖かい日に、2月の句会も終わり、改めて春の24節気、雑節を見てみると立春・雨水・啓蟄・春分・清明と社日・節分・彼岸などこれらの一つ一つの語彙の中から、春の暖かさを自然と連想してしまう。
今月の兼題は「春寒し」でしたが、「微動だにせぬ」「しばし耐えなむ」で良い季 節を待ちたいものです。

(以上)