登山同好会

登山同好会  番外登山     北岳登頂60回目記念登山

催行日 2024年 6月30日 雨 7月1日 雨・強風 7月2日 晴 参加者4名(リーダー北原)

富士山に次ぐ日本第ニ位の高峰南アルプスの北岳(3193m)の60回目の登頂と、ここにのみ生育するキタダケソウを観に、登山同好会の溝口早苗氏、松井勁司氏、大作公夫氏の3人と予定通り登山を開始しました。キタダケソウを観ることができるのは梅雨の時期と重なるため、降雨のさ中の行動は覚悟のうえでしたが、予想以上の悪天候に阻まれて、誠に残念なことに登山目的は達せられませんでした。


キタダケソウ

氷河期の遺依植物『キタダケソウ』は耐寒性が極めて強く、まだ雪が完全に消えぬときから咲き始めますが、積雪量や融雪の状況等により、年によって時期は若干の違いがあります。また個体ごとの環境(陽あたり、風あたり、岩陰など)によって開花時期がずれますので、花を観ることができるのは全体として3週間程度と言われています。さらに登山口に至る道路が6月第3土曜日の開山式にまで通行できませんので、キタダケソウの花を観ることができるのは実質10日間程度となってしまいます。

今回の参加者の登山経験年数から考えて、白根御池小屋(2230m南アルプス市営)を起点に草すべり(上部は広大なお花畑)を経て3000mの主稜線を進み、北岳山頂へ、そして北岳山荘(2900m南アルプ市営)に泊まり、翌日キタダケソウ生育のトラバース道を経て、林道広河原線開通前の北岳登山のメインルートの池山吊り尾根の最低鞍部(八本歯のコル)から大樺沢左俣の雪渓を大岩壁の『バットレス』を左手に見ながら下り、二俣を経て白根御池小屋への周回コースを計画しました。

第1日目 雨の中、広河原(1500m)から登山を開始しました。野呂川にかかる吊り橋を渡り、白根御池小屋への分岐からは急登の連続で歩みが鈍くなりました。登るペースや出会う下山者から聞く標高3000m稜線の天候状況などから当初の登山計画の変更が必要と考え、北岳山頂を越えねば観ることができないキタダケソウを観ることは断念しました(北岳山荘泊を止め、白根御池小屋連泊に)。
  
広河原インフォメーションセンタにて      ハクサンイチケ            白根御池小屋にて

第2日目 雨の中、3人で御池小屋を出発(1人は体調の関係で小屋逗留)、途中出会う下山者の多くが山頂直下の『肩の小屋』から先は強風で引き返したと言っていました。草すべりの登山道は徐々に雨水の流れる小川となって、時折木々を激しく揺らす突風が吹いています。広大なお花畑(2800m)を経て主稜線に出ると、雨粒が雨具を叩きつけて痛く感じるような強風が吹き荒れ、気温も低下してきました。北岳の一般縦走路での滑落事故の大半が発生すると言われている岩場の手前で引き返すことを決断し、白根御池小屋へ戻りました。
 
シナノキンバイ                 小太郎分岐にて

 
草すべりにて                  カラマツソウ

 
白根御池小屋に到着             白根御池小屋にて

第3日目 天候が回復し小屋の庭先から北岳山頂が見え、全員で記念写真を撮って広河原へ向け下山を開始しました。10時のバスで芦安駐車場へ向かいましたが、バスから見る北岳方面は、既に厚い雲に覆われ始めていました。甲府駅に到着し、散会しました。
  
北岳山頂を臨む                   タカネグンナイフウロ

北原孝浩 64年 法卒