- 催日時 令和元年11.23(土)10:00~12:00
- 開催場所 生涯学習センター C―201会議室
- 参加者 宮内・小西・漆野・青木・森川・菅原・松井の7名投句は9名
- 兼 題 兼題「暮れの秋」一切
- 選 句 5点句(1),4点句(4)、3点句(2)、2点句(3)、1点句(7)を選句した。(5点句) みずうみはしずかさにあり月の道・ ・・・・・・・・小西 小牧
(選評)
太鼓の昔から今の時代も、地球と「月」は人類にとって切っては切れない関係です。
その「月」は、私達にいろいろな夢を与えてくれているとても大きな存在です。
俳句の世界においても「月」をテーマにした句は大変多くありますが、いつも空を見上げて眺める「月」も、この時は、しずかなみずうみにきっと誰かの二人の幸せの道を架けてくれたのでしょう。
ひらがな使いによってより静かさを醸し出している素敵な句ですね。(菅原 互酬)
(4点句)
連れ合いの手先ヒンヤリ暮れの秋・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
(選評) 秋も遅くなると気温は下がり、また若干の風でも吹いていれば、思わず連れ合いの手を握りたくなります。暖かいと思っていたらなんと連れ合いの手はもっと冷たくなっていました。連れ合いの方は、「何と暖かい手よ、燃えているね」と思ったに違いありません。秋の暮れに通じ合う二人の愛、美しい句です。(青木 艸寛)
薄墨を重ね消えゆく秋の夕・・・・・・・・・・・・・武 美
(選評)
「秋のひは釣瓶落し」本当に暮れるのが早くあっという間に暗くなるこの頃。ただ、よく見ていると少しずつ暗さが増していく様子がわかります。薄墨が幾重にも重なりやがて漆黒の闇を迎えます。薄墨を重ねの表現が印象的でした。
(小西 小牧)
金星に狙いを定む月の牙・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
(選評)
下弦の月、いわゆる三日月を中国語では牙というらしい。その牙があたかも金星を突こうと狙っていると観たのだ。地球からの距離が4,000マンキロの金星と38万キロの月ではあるが、拙も屡々家のテラスから夜空を見上げ、両者がとても近くに見える時がある。然し、牙で突くという見立てをしたことがない。
作者のスケールの壮大な見たてに感服した。(悠閑亭徹心)
酒好きの朋友(とも)を偲びて牧水忌・・・・・・・・・待糸 史敝
(選評)
今年も11月に入って喪中欠礼の葉書を何通か受け取った。お互いに元気だと思えばこそ、日頃のご無沙汰も気にならないが、訃報が届いてもう会えないとなると別である。
酒を酌み交わした酒好きの友となると、その喪失感は一入である。牧水忌と云い止めて一人静かに酒を飲みながら亡き友を偲んでいるのである。
牧水の短歌「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり」を踏まえているのは言うまでもない。(夢 心)
(3点句)
琴弾く手真白に光る暮れの秋・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
陽だまりのベンチぽつんと暮れの秋・・・・・・・・・武 美
(2点句)
老ゆるにはまだ早過ぎる小春日や・・・・・・・・・・漆野 達磨
写真燃す手に涙かな暮の秋・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
八千の草木薫る秋時雨・・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
(1点句)
星の下ブルーシートに暮れの秋・・・・・・・・・・・漆野 達磨
暮れる秋別れし人ぞ恋しかり・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
暮れ静か目立ちたがり屋の帰り花・・・・・・・・・・青木 艸寛
神の留守何を土産に頼もうか・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
秋色の小径寄り道迷い道・・・・・・・・・・・・・・武 美
四世代集い親しむ暮の秋・・・・・・・・・・・・・・夢 心
碩学の名著(ほん)と格闘長き夜・・・・・・・・・・・待糸 史敝
(投句)
一(ひと)日にも秋と冬あり暮れの秋・・・・・・・・悠閑亭徹心
暮れの秋外苑並木黄なり初め ・・・・・・・・・・・ 小西 小牧
秋びより常磐の森にティアラ映ゆ・・・・・・・・・・小西 小牧
酉の市叶わぬ夢に手締めかな・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
被災地に風吹き渡る秋の暮・・・・・・・・・・・・・鴇 香子(参考)
一人寝や涙に曇る秋の月・・・・・・・・・・・・・・鴇 香子(参考)
たわわなる赤き実のなる空き家かな・・・・・・・・・鴇 香子(参考)
パレードを見し人波や秋高し・・・・・・・・・・・・夢 心
秋日和ピンコロ志願の散歩かな・・・・・・・・・・・夢 心
暮れる秋居久根色づき庭明かる・・・・・・・・・・・菅原 互酬
思い羽の灯す歳月水静か・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
秋光の陰翳礼賛即位礼・・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
暮れの秋御列祝う日本晴れ・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
〇 句会後記(待糸 史敝)
この秋はラグビーWCに即位関連があり、先月と今月はそれに関する句もあった。
花鳥風月や心情を詠むのもいいが、その時の行事は活力や躍動感を受ける気がする。先月の句会を休んだので余計にそう感じました。
(以上)