- 開催日時 令和元年7.27(土)10:00~12:00
- 開催場所 生涯学習センター C―201会議室
- 参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名 投句は9名
- 兼 題 兼題「昼寝」一切
- 選 句 4点句(4),3点句(3)、2点句(5)、1点句(5)を選句した。 (4点句)
窓という窓開け放ち梅雨晴れ間・・・・小西 小牧(選評)
今年の梅雨は長いですね。兼題句以外では梅雨の句も多く投句されました。晴れ間があれば家中の窓を開けて欝々とした空気を換えたいものです。“窓という窓”、同じ言葉を繰り返してリズム感を出しています。
中七の“放ち”は“放つ”との是非が検討されましたが、習慣的な行動を表す“放つ”より、その後の動作を想像させる“放ち”のままでよいと思いました。それが作者の情感、意図なのでしょう。(鷹 嘴)難解な読書いつしか昼寝かな・・・・・夢 心
(選評)今月の兼題「昼寝」は、作句をしようとすると、なかなかに発想しにくいと痛感したのは私だけではないと思います。
力まず、すんなりと当たり前のように句が流れてゆく。ベテランの持ち味を出し切った句と言えます。
力を入れすぎず、考え過ぎず、こうした句を作りたいものです。(青木 艸寛)あさがほや朝日掴んで覚醒す・・・・・菅原 互酬
(選評) 動くのは太陽で朝顔は朝日が昇るのをじっと待っているとしか思っていませんでした。朝日を『掴んで』花開くと いう能動的な表現に驚き、朝日の中、蕾をほどいて今開かんとするみずみずしい様子が目に浮かびました。
また、開いた花も花びらをラッパ状にして、太陽エネルギーを積極的に取り込んでいるように見えてきました。生きるとはそういうことなのかなとも思いました。一つの言葉でものの見方が変わります。俳句ならではの言葉の重みでしょうか。(武 美)人の子の伸びる早さよ立葵・・・・・・鷹 嘴
(選評) 毎日接している自分の子供の成長ぶりは目立たないかもしれないが、たまに見かける人の子の成長は目立つのである。
夏草の立葵も、気が付けば2mにもなる成長の早い多年草である。
季語との取り合わせが絶妙で、面白かったので秀句とた。(夢 心)
(3点句)
空重し老鶯の音(ね)の慰めや・・・・・小西 小牧
重責を譲りて大の字昼寝かな・・・・・漆野 達磨
葉隠れの赤き実探すトマトかな・・・・夢 心
(2点句)
異界より戻りて現(うつつ)昼寝覚め・悠閑亭徹心
碁敵と打つ一番や夏座敷・・・・・・・漆野 達磨
心地よし孫と並びの昼寝かな・・・・・青木 艸寛
梅雨寒や猫寄りそいて丸くねる・・・・武 美
揺り籠に夢見る吾子の昼寝顔・・・・・鷹 嘴
(1点句)
邯鄲の夢を夢見て昼寝覚め・・・・・・悠閑亭徹心
気配消し本気モードの昼寝かな・・・・小西 小牧
独りぽち上り下りする金魚かな・・・・漆野 達磨
つゆ間に間雲と太陽譲り合い・・・・・菅原 互酬
カラコロリ救助の犬や木下闇・・・・・鷹 嘴
(投 句)
脇見れば妻と猫未だ午睡中・・・・・・悠閑亭徹心
白百合が庭の真中でゆらゆらり・・・・青木 艸寛
早朝にかくれんぼする夏蒲団・・・・・青木 艸寛
タイマーのいらぬ昼寝す夕餉かな・・・武 美
雨が好き青紫蘇嬉々と茂りおり・・・・武 美
梅雨寒や長袖のシャツ手離せず・・・・夢 心
似非午睡ザブトン枕に本格寝・・・・・菅原 互酬
突然の昼寝を壊す蝉時雨・・・・・・・待糸 史敞
梅雨寒や野菜高騰茄子まがり・・・・・待糸 史敞
海の日は 排プラ思い国旗立て・・・・・待糸 史敞
○ 句会後記(悠閑亭徹心)
交譲葉 会員(10名)
森川・小川・小西・朝倉・漆野
7月句会は久々に会員10名全員出席(但し、投句者は9名)の開催。
選句集計結果によると、今句会は最高点が4点句で4句、3点句が3句(その他2点句、1点句,無点句)と選択がばらけたのであった。4点句夫々作者が詠みあげ句意を語り、選者は選句の理由を述べ、全員で意見交換を行った。
次いで、1句ずつ批評と感想,語句の解釈、語順の変更示唆等全員自由闊達に述べ合った。実はこれが頗る楽しい。知らなかった事象や知らない語彙を知ることができたり、会員夫々の意外な側面を発見したりする。
最後に8月句会の兼題を決め(花火)、青木世話役から第7句集制作の現況と次のステップが報告され終会した。
(以 上)