①開催日 令和2年11月28日(土)
②開催場所 通信句会
③参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅 原・安居・松井の10名
④兼 題 「 落ち葉 」一切
⑤選 句 5点句(1)、4点句(2)、3点句(2)、2点
句(6)、1点句(5)を選句した。
(5点句)
冬蜂の生き残りたる日向かな・・・・・・・・・・・鴇 香子
(選評)
この時期はいつも生命の消失を意識し寂しくなります。この句は陽だまりの中に在る小さな命、それは頑張って生き残った命、を切り取って詠んでおり、温もりを感じ嬉しくなりました。
「日向」に、太陽の熱だけでなく蜂を見つめる詠み手の暖かさも感じます。
最近赤とんぼを陽だまりの中でみかけました。
今年は暖かい日の多い秋でした。 (武小川寿歩)
(4点句)
突風に天に落ち葉の川生まれ・・・・・・・・・・・武小川寿歩
(選評)
秋も深まり外気温が8度以下になり始めると急激に木々の葉は、色を変え落葉が始まる。
冬の到来を知らせる木枯らしを「突風」と表し、たくさんの落ち葉を天に舞い上げた表現を「天に落ち葉の川」としたその感性は素晴らしいと思います。 (菅原 互酬)
たくさんの事抜け落ちて暮れる秋・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)
コロナ禍ならではの寂寥感のある句です。特に中7“事抜け落ちて”は様々なイベントや会合が開催されずに過ぎた虚脱感と、この季節の木々から葉が抜け落ちていく様子が
重なり上手いと思います。まだ当分この状況は続きそうですが、来年の春頃には希望の光が見えていることを願わずにはいられません。 (鷹 嘴)
(3点句)
次代への責果たし今濡れ落ち葉・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
朽落ち葉時の余白にためらわず・・・・・・・・・・菅原 互酬
(2点句)
青い目の菊師作れる白拍子・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
独り居の書斎に届く木犀香・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
どっと来る寒さよ我に慣れまほし・・・・・・・・・漆野 達磨
紅深きもみじ麗し三熟女・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩
名刹の尚歯(しょうし)を祝う菊人形・・・・・・・菅原 互酬
足遠く美術の秋も予約制・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
(1点句)
思い出の詰まりし銀杏落葉かな・・・・ ・・・・・漆野 達磨
江戸川に民子ほほ笑む野菊咲く・・・・・・・・・・青木 艸寛
落ち葉掃き童と仔犬悪ふざけ・・・・・・・・・・・武小川寿歩
薄明かり落ち葉踏みゆく奥白根・・・・・・・・・・鷹 嘴
地下からの登り階段枯れ落ち葉・・・・・・・・・・待糸 史敝
(投 句)
人絶えて前栽も落ち葉朽ちしまま・・・・・・・・・小西 小牧
踏み出しがまた遠のきて暮れの秋・・・・・・・・・小西 小牧
ひいらぎのほの香に惹かる齢かな・・・・・・・・・小西 小牧
小春日や医は仁術と頭下げ・・・・・・・・・・・・漆野 達夫
さくさくと落ち葉踏みしめ寺参り・・・・・・・・・鴇 香子
色づきてカメラに囲まる大銀杏・・・・・・・・・・鴇 香子
落葉散る一番乗りは何思う・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
案山子見て吾に似てるとガキ大将・・・・・・・・・青木 艸寛
ブロワーに吹き飛ばされて舞う落葉・・・・・・・・夢 心
掃き跡に即散りかかる落葉かな・・・・・・・・・・夢 心
家々の庭木の手入れ冬支度・・・・・・・・・・・・夢 心
澄みわたる福岡の秋惜しみけり・・・・・・・・・・鷹 嘴
悲しみに寄り添ひてなほ菊の花・・・・・・・・・・鷹 嘴
児童らが落ち葉踏み踏み通学路・・・・・・・・・・待糸 史敝
⑥句会後記 (鴇 香子)
感染者がまた増えて、動き出した地域活動も二の足を踏む状態です。
高齢者や私のような透析している者は重症化したり死亡するリスクが高いというので、家に閉じこもっている方が良いのでしょうが、感染防止策を充分にとりながら今までの日常を続けていこうと思っています。
その中の一つが俳句ですが、一向に良いものができず末席をけがしてる状態です。
それでも小旅行に行けば季節の移ろいに感動し、その美しさをなんとか言葉にできないかと苦労しています。お仲間の素晴らしい俳句に驚き、羨ましいとモ思っています。
早く皆さんにお会いできる日が来ることを待っています。
(以上)