俳句の会

俳句の会「交譲葉」令和2年12月句会報告

2020年 12月 30日

俳句の会「交譲葉」令和2年12月句会報告

①開催日   令和2年12月26日(土)

②開催場所  通信句会

③参加者   宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名

④兼 題   「 師走 」一切

⑤選 句   9点句(1)、5点句(1)、3点句(2)、2点句(5)、1点句(6)を選句した。

(9点句) 

   冬の月じっと静かに吾見つめ・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛

 (選評)

冬の月は皓々と輝き大きな月はじっと見ていると吸い込まれそうな気持ちになる。月を見つめているようでその実、月に見つめられているような思いにかられたのを覚えている。作者の思いに共感できた。             (小西 小牧)                                                          

(5点句)

   枯芝に陽のぬくもをりよ虫寝床・・・・・・・・・・・・小西 小牧

   

                                

(選評)

冬の暖かい日ならではのおおらかさに溢れています。陽あたりの良い開けた空間から、虫という小さな生き物に焦点が移るのも良いなと思いました。虫の寝床と締めくくれるのは詠み手の優しさの表れですね。ほっこりする句に出会えました。

(武小川 寿歩)

(3点句)

冬の空シリウス見つけ妻を呼ぶ・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心

非日常無聊(ぶりょう)無聊(ぶりょう)の師走かな・・菅原 互酬                                             

(2点句) 

楽しきこと増えるを願い日記買ふ・・・・・・・・・・・小西 小牧

白菜を漬け込む指に柚子香り・・・・・・・・・・・・・鴇  香子

カプセルの火球師走の空過ぎり・・・・・・・・・・・・夢   心

江戸河原風のすくなき師走かな・・・・・・・・・・・・鷹   嘴 

通学路枯れ葉の上を索索と・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝                                 

(1点句)

やるせなき師走となりし2020・・・・・・・・・・・小西 小牧

二階から落ちたる妻の師走かな・・・・・・・・・・・・漆野 達磨

暖冬の白化粧なしの富士の山・・・・・・・・・・・・・鴇  香子

なさぬままあっという間の師走かな・・・・・・・・・・青木 艸寛

手続きの済みて平らか師走かな・・・・・・・・・・・・武小川寿歩

冬ゆるく季節はずれの実に赤み・・・・・・・・・・・・武小川寿歩

(投 句)        

僥倖かコロナ陰性年暮れる・・・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心

ライトアップ東寺紅葉の濃い化粧(けわい)・・・・・・ 悠閑亭徹心 

俳句こそ不要不急の年末始・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨    

マスク着けホテルに宿とる里帰り・・・・・・・・・・・漆野 達磨            

気ぜわしく賄いに暮れる師走かな・・・・・・・・・・・鴇  香子

冬至の陽見事畳に影描く・・・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛          

冬の朝飛行機の音身に迫る・・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩        

葉叢からのっと伸び出す石蕗の花・・・・・・・・・・・夢   心

片耳にマスクぶら下げ歌うなり・・・・・・・・・・・・夢   心 

榾(ほだ)の火や今年を語る氏子かな・・・・・・・・・菅原 互酬

のれん分け久し振りだねおでん酒・・・・・・・・・・・菅原 互酬 

山茶花や五年連用日記終ゆ・・・・・・・・・・・・・・鷹   嘴

諺で育てし母よ寒牡丹・・・・・・・・・・・・・・・・鷹   嘴 

大雪(たいせつ)や討ち入り噺に師走感・・・・・・・・・待糸 史敝

冬麗らテレビ観戦早明戦・・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝                 

⑥句会後記 (小西 小牧)

今年最後の句会が終わりました。少しばかりの望みを抱いていたのですがやるせなさが残ります。来年は対面で生での批評が飛び交う句会ができます様に。この有事の折通信句会を続けてくださった漆野様 青木様 本当に有難うございました。この年末年始は大変そうです。どうぞ皆様お身体ご自愛ください。                        (以上)