- 開催日時 令和2年6月27日(土)
- 開催場所 通信句会
- 参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名
- 兼 題 「 苺 」一切
- 選 句 6点句(1)、4点句(1)、3点句(5)、2点句(4)、1点句(7)を選句した。(6点句) 風広く縄文の郷麦の秋・・・・・・・・・・・・・・・武 美
(選評)
新緑の中に広がる黄色の麦畑。傍らには縄文の郷。絵画的な美しさと郷愁を誘われます。縄文の遺跡は国内に一万余りあるらしいがこの句の舞台はどこなのでしょうか。
一度訪れてみたいです。 (小西 小牧)
(4点句)
不揃いの家庭菜園いちご熟れ・・・・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)
江戸川の近くに畑を借りて野菜を栽培しているので共感できる句です。スーパーなどで売られている苺とは違い、大きさや形が様々です。採り時が難しく、熟れたから収穫しようとしたときには鳥や虫に食べられた後だったということもあります。
この句で惜しいのは苺以外の作物と入れ替えが可能なことで、例えば“家庭菜園”を“菜園”と三字節約して、オリジナリティのある変化を付けた方が更に良いと思います。(鷹 嘴)
(3点句)
江戸川の水面朱に燃え大夕立 ・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
散り敷きて南天の花掃き惜しむ ・・・・・・・・・・・小西 小牧
頬染めて箱入れを待つ苺かな・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
苺摘み頬張る口の愛らしき・・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
揚羽蝶風を味方にプロポーズ・・・・・・・・・・・・・武 美
(2点句)
夏山や揃いし靴の音梓川・・・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
匂い来て見回す先に栗の花・・・・・・・・・・・・・・・夢 心
大夕焼人犬自転車地に染まり・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
香零る苺農夫の爪に土・・・・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
(1点句)
朝摘みと聞いて買い足す苺かな・・・・・・・・・・小西 小牧小
紫陽花のまたあじさいの明月院・・・・・・・・・・・小西 小牧
球音と歓声聞けぬ甲子園・・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
富士眺め久能のいちご腹一杯・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
若筍に節目教わるわが人生・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
紫陽花や三十種類競い咲く・・・・・・・・・・・・・夢 心
枇杷の実をはしゃがず突く夕雀・・・・・・・・・・・菅原 互酬
(投 句)
苺浪漫王に姫様乙女おり ・・・・・・・・・・・・…悠閑亭徹心
驟雨来て慌てコンビニ何買おう ・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
病癒え帰路の街並み萌木色・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
カーテンの外に涙す四葩かな ・・・・・・・・・・・漆野 達磨
初夏浴びて大合唱の学園祭・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
粒を超え個と数えたや大苺・・・・・・・・・・・・・武 美
社会的距離を保って苺狩り・・・・・・・・・・・・・夢 心
苺手に優しあの子の唇へ・・・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
口溶けるミルクプリンのベリージャム・・・・・・・・鷹 嘴
家族あり誕生祝い苺買う・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
鬱模様いつまで続く夏マスク・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
ディスタンスコロナ新語の長い夏 ・・・・・・・・・待糸 史敝
- 句会後記 (夢 心)
4ヶ月続きで今回も通信句会となった。顔合わせもなく、声も聞き合うことのない句会は物足りない。同じ通信句会でもPC画面上で顔を見ながらチャットするというのであれば大分違うのだろうが、残念ながらそれほどPCを使いこなすことも出来ない。コロナ禍終息を待つきりないのか。毎日通っていたジムが休業し、不要不急の外出を控えていると運動不足になるので、この時期せっせと散歩に出かけた。コースはほぼ決まっていて3か所の公園を見て回るコースであった。桜の花が咲き、散って、新緑が萌え出で、栗の花が咲き、あじさいが咲き競いと、季節は確実に移って行き、私の散歩の時間は作句の時間でもあった。学校休校時は、公園は家族連れで賑わう場所でもあった。緊急事態が解除され、制限が緩和されて、ジムが再開してからは散歩に出かけることも少なくなってしまった。寿会の役員会や、コーラスのサークル活動も、3密を避けながら再開にしている。交譲葉句会も、出来るだけ早く正常な状態に戻ることを切望している。
(以 上)