2021年 01月 25日
俳句の会「交譲葉」令和3年1月句会報告 |
流山稲門会
①開催日 令和3年1月23日(土)
②開催場所 通信句会
③参加者 宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名
④兼 題 「 屠 蘇 」一切
⑤選 句 8点句(1)、6点句(1)、4点句(2)、3点句(1)、2点句(1)、1点句(5)を選句した。
(8点句)
気まぐれの黄色のセーターこころ晴れ・・・・・・・・・小西 小牧
(選評)
黄色は季節を問わず明るい気分にしてくれますが、冬の季語『セーター』に合わせたことで、冬の落ち着いた色目との対比が際立ち、とても華やいだ気分になります。
この黄色は秋の山吹色ではなく春のタンポポ色を思います。『気まぐれ』『黄色』『こころ晴れ』のびのびとした晴れやかな言葉のオンパレードにコロナの鬱々を忘れます。 (武小川 寿歩)
(6点句)
寒月も恥ずことありや雲隠れ・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
(選評)
見るからに寒々とした月だが、今の災厄下の地球を照らすのを忍びないと思ったのだろうか。雲に隠れてしまった。恥ずことの意味を勝手にこう解釈してしまった。作者の思いとは異なるだろうと思いつつー惹かれる句です。 (小西 小牧)
(4点句)
七草や三草粥炊き事とする・・・・・・・・・・・・・悠閑亭 徹心
(選評)
最近では七草粥セットと称して売られているのを見かけることもあるが、一般には七草を揃えるのは難しい。
そこで有合わせの野菜三種を使ってお粥を炊き、七草粥の代用としたのである。主婦の才覚である。 (夢 心)
老夫婦二言三言のお屠蘇かな・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
(選評)
老夫婦二言三言のお屠蘇かな。
今年の正月は、ほとんどの家庭もファミリーの集合は無しの状況のようでした。
夫婦だけでお屠蘇で交わすお正月。
新年のあいさつの言葉の二言三言位で、穏やかな年の初めであったことと思います。
当家も同様でありました。
作者は初めに「老夫婦二言三言」と詠んだ。ここで私は、「和顔愛語」という言葉を想いました
お互いに夫婦そろって、健やかに優しく、素敵に歳を重ねたいものですね。 (菅原 互酬)
(3点句)
除夜の鐘今年は一つ多く突き・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
(2点句)
夫に子に四角に座り屠蘇注ぐ・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩
(1点句)
明けり吾の漢字は堪(たん)と耐・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
屠蘇だけは酌みしこだわり父思ふ・・・・・・・・・・・小西 小牧
凍てつくや蛇口沈黙午前九時・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩
三日目の晩酌屠蘇の残りなり・・・・・・・・・・・・・夢 心
屠蘇の香や誘う夫(ひと)が傍にいて・・・・・・・・菅原 互酬
(投 句)
コロナ疫打ち払わんと屠蘇の儀し・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
読み初めはあえて手にする歳時記を・・・・・・・・・・小西 小牧
病床が決まりたりけり冬日和・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
冬いちご宝石の如頬ばりぬ・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨
感染の終息願い屠蘇を飲む・・・・・・・・・・・・・・鴇 香子
凍て晴に鳥のさえずる窓辺かな・・・・・・・・・・・・鴇 香子
屠蘇の酔喉に囁く友の声・・・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
軒下の見事な足は氷柱かな・・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
焼芋屋飛び出てみれば別の道・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩
双六の上がり施設へ入居かな・・・・・・・・・・・・・夢 心
出戻りの賀状恩師の訃を知りぬ・・・・・・・・・・・・夢 心
初日の出身動ぎせずに言絶ゆる・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
屠蘇干せば吾の手捻りの器かな・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
吾の後を子ら犬駈ける二日かな・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
初筑波せきれい茶屋も休まざる・・・・・・・・・・・・鷹 嘴
屠蘇受けて少し酔いたり幼き日・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
厳冬や足から冷える立ち仕事・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
底冷えに緊急事態寒の入り・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝
⑥句会後記 (武小川 寿歩)
令和3年初句会は通信句会での開催となりました。コロナの影響は大きく、日常とコロナを詠んだ句が多くみられました。どの句も場面を上手に切り取っており、選句には苦労しましたが、
あるあると共感を持って楽しみました。
あるあると共感を持って楽しみました。
このコロナ禍の中、全員そろって滞りなく句会が行われたこと大変めでたく思います。いつもながら幹事さまに感謝申しあげます。
(以 上)
(以 上)