俳句の会

俳句の会「交譲葉」令和3年3月句会報告

2021年 03月 30日

俳句の会「交譲葉」令和3年3月句会報告

①開催日   令和3年3月27日(土)

②開催場所  通信句会

③参加者   宮内・小西・漆野・朝倉・青木・小川・森川・菅原・安居・松井の10名

④兼 題   「 木の芽 」一切

⑤選 句   5点句(1)、4点句(1)、3点句(2)、2点句(8)、1点句(9)を選句した。

(5点句) 

いつの間に木の芽膨らむ風柔し・・・・・・・・・・・・・鴇  香子

(選評)

待ちわびる花の開花と違い、知らないうちに芽吹き気がついたら芽が膨らんでいた、なんてことがよくあります。そんななにげないことを捉えて素直に詠んでいることが良いなと思いました。また、『風柔し』が、春の大気の緩さや冬の強ばった風まで想像させて面白いと思いました。  (武小川 寿歩)

(4点句)

春さんぽ阿形吽形の足を観る・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬

(選評) 

仁王像と言うとたいていは忿怒の表情の顔を思い浮かべる。しかし、この句には虚を衝かれてしまった。足元に目線がおかれてユニークで 面白みを醸し出している。のどかな春の散歩と仁王立ちの像との対比にもひかれました。  (小西 小牧)

(3点句)

子育ての優しさ似たり木の芽時・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨

親も子も自粛かさねて卒業す・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨                                              

(2点句) 

古刹へと桜並木の道標・・・・・・・・・・・・・・・・・小西 小牧

後輩になったとの報初桜・・・・・・・・・・・・・・・・小西 小牧 

主や漕ぐ千鳥ヶ淵の花筏・・・・・・・・・・・・・・・・漆野 達磨

木には木のそれぞれ芽ありそれぞれに・・・・・・・・・・青木 艸寛

透きとほりやがて枯れゆく白水仙・・・・・・・・・・・・武小川寿歩

強東風に枝振り乱す雪柳・・・・・・・・・・・・・・・・夢   心

春風をほどほど迎える勝手口・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬

重衡の隠れし岩や百千鳥・・・・・・・・・・・・・・・・鷹   嘴 

(1点句)

蒲公英の花びらいらう子猫かな・・・・・・・・・・・・・鴇  香子

木登りす桜花の蜜をそつと吸い・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛

庭先の小鳥ぴょんぴょん木の芽晴・・・・・・・・・・・・武小川寿歩

春雷やすわ発砲と難波人・・・・・・・・・・・・・・・・武小川寿歩

通学の子等の装い春めきて・・・・・・・・・・・・・・・夢   心

一輪車やっと孫乗る木の芽時・・・・・・・・・・・・・・菅原 互酬

木の芽吹く芽吹橋より見える山・・・・・・・・・・・・・鷹   嘴

二年ぶり春の球児に元気づく・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝

(投 句)

木の芽和えラ・トラビアータと吟醸酒・・・・・・・・・・悠閑亭徹心 

浜屋には焼蛤(やきはま)の香と歓声が ・・・・・・・・ 悠閑亭徹心  

目を転じ木の芽吹く庭飽きもせず・・・・・・・・・・・・小西 小牧

過ぎし日を花びら追いかけ水面かな・・・・・・・・・・・鴇  香子  

陽を浴びて母が教える蓬摘み・・・・・・・・・・・・・・青木 艸寛  

浅緑も鮮紅もある木の芽吹き・・・・・・・・・・・・・・夢   心

莟よりひらきちるまで白木蓮・・・・・・・・・・・・・・鷹   嘴  

山村の祖母思い出す木の芽摘み・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝 

練行の祈り静かに二月堂・・・・・・・・・・・・・・・・待糸 史敝       

⑥句会後記 (悠閑亭徹心)

咋三月以来通信句会は10回強行われた。通信句会方式に些か慣れてしまった感がするが、その間世話役のマネージの元、同人全員が期日通りに投句・選句/選評・次回用兼題提案等を欠かさず行ってきた事に敬意の念が湧きます。時下、拙は「ゆずりは」同人の一人として、毎月作句と投句、選句を行ってきた事がどれだけ救いになっているか実感している。とは言え、句会はフェース ツー フェースで活発に意見交換を行った方が身にもなるし、面白い。嗚呼、リアル句会よ早くあらま欲し!! (以上)