2022年 04月 21日
流山稲門会 |
流山稲門会
【交譲葉】俳句の会報告 令和四年三月句会(第一一八回) 兼 題 [ 水温む ] 開催日 令和四年三月二六日 開催場所 流山市生涯学習センターの予定を変更し通信句会に変更 投句者 十名(投句数三十句) 選句者 九名(選句総数二十七句) |
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(五点句)
- 釣り竿の穂先の撓(しな)り水温む 玄 鳥
選評… 釣り人から穂先までの釣り竿の緩やかな曲線に春の大らかさを感じ、次第に先が細くなっていくところに春の浅さを思い、『撓り』に水中の生き物の営みを想像して、『水温む』にぴったりの情景に浸ることができました。また、氷上にテントを張り穴に糸を真っすぐ垂らす冬の釣りとの対比も勝手に楽しみました。 ( 寿 歩 記 )
(四点句)
- 藻をくぐる小さき魚や水温む 小 牧
選評…暖かな日差しが水底まで届き、水は日毎に温み、藻や魚がうごめいている。いかにも春らしい情景が浮かんでくる。秀句とする。 ( 夢 心 記)
- 大輪の地にありてなほ椿なり 則子
選評…花弁を散らすことなく落花する椿を平易な言葉で表現した句です。私は暗く湿った土の上に落花した椿の、月や外灯に照らされて艶やかに光っている情景を思い浮かべます。 ( 玄 鳥 記 )
(三点句)
春疾風鳩よ青黄の旗へ飛べ 玄 鳥
春泥の車椅子へとわが手貸す 艸 寛
跪きスマホで接写桜草 夢 心
整へし机上に雛の並びをり 則 子
(二点句)
湯上りの娘大人び水温む 達 磨
春がすみ川面に揺れる舫い船 互 酬
触れ太鼓春の浪花の大相撲 史 敝
十一年新たなうねり春の海 寿 歩
(一点句)
昧爽の光ほんわり水温む 徹 心
水温む泥鰌首出し身を隠し 艸 寛
姿よき白梅鳥も集いけり 寿 歩
(投 句)
水温む富士川の土手ジョガー行く 互 酬
水温む 春をも待たで 汀子逝く 史 敝
巡りくる出会いと別れ水温む 則 子
夜の池ただたぷたぷと水温む 寿 歩
水温む富士川の土手ジョガー行く 夢 心
水温み散歩の途次に池巡り 徹 心
桜餅老舗現れ口直ほす 達 磨
啓蟄に安堵見つける日和かな 艸 寛
椿道抜けし先なる遍路寺 小 牧
水温み気分温むやウクライナ 徹 心
打ち寄せる浜に流れ木朧月 玄 鳥
コロナ禍や三年経ちて皆卒業 達 磨
三つ違い孫夫々に進学す 夢 心
日を置いて 厳しい朝に冴え返る 史 敝
コロナ出た入院延びた春うつつ 小 牧
春房総鋏片手に花園へ 互 酬
『 句会後記 』
コロナ蔓延防止等重点措置が解除されたにも係わらず、通信句会になったのは残念でした。句会はやはり対面句会でなければ、隔靴掻痒の感を免れません。 但し、今回安居氏の俳名改名を巡って、スマホのラインを通じて会員同士の対話がなされているのを見て、これは大いに活用できると感じた次第です。 ( 夢 心)