[寒い!] 5月11日(日)午後2時、北柏駅に集まったのは総勢16名。夜来の雨が上がった曇天下、日中でも気温15度を上らず5月中旬にしては肌寒い陽気。しまい込んだ冬物を引っ張り出して着込んで来た人も。
[北千葉導水路] 初参加3名の紹介の後、本日のコースのスタート。北柏橋を渡って大堀川沿いの土手を右に慈恵医大付属柏病院を見ながら、舗装された幅7~8mの広い道を進む。自動車は入れず、歩行者とサイクリング専用。聞けばこの道路の下を直径3.2mの鉄管が埋設されていると言う。実物大の鉄管が道筋に見本として置いてある。説明書きによれば北千葉導水路と称し、利根川から取水して延々28.5kmに亘りこの鉄管内を流れ、坂川などを通じて江戸川に至る、とある。
今井・川口・奥野・小沼・高口 牛島・亀田・
鈴木・詫摩・榎本・山本(正) 青山・西山・野中・赤堀
[ワースト11位になった!] 駅から30分ほどで1番目の目的地『北千葉導水ビジターセンター』に到着。展示室の資料を見学した後、導水路についてわかりやすく解説した映画を観る。
導水路建設の目的は、①内水排除…手賀沼周辺地域の都市化による浸水被害を防ぐ(手賀川、坂川等洪水時毎秒最大80~100 m3 利根川、江戸川にポンプ排水) ②都市用水の供給…首都圏の人口集中による水不足解消(利根川から毎秒最大30 m3ポンプ取水) ③水質浄化…手賀沼等の水をきれいにする(利根川から毎秒最大10 m3 取水) ことなど。国の事業で昭和49年に建設着手、平成12年に運用開始、総工費2,900億円。おかげで流域低地の洪水を防ぎ、東京都民などの用水を補給し、手賀沼は長年の水質ワーストワンの汚名を平成13年に返上、平成18年にはワーストテン以内からも脱却できたそうだ。メデタシ、メデタシ。
千葉県民、特に東葛地域住民には、③の手賀沼浄化が身近で喜ばしいことだが、この大プロジェクトの筆頭目的は、②の都民などの用水確保だったのではなかろうか。東京都、千葉県、埼玉県はそれぞれどのくらいの費用負担をしたのかな、などと考えながらビジターセンターを3時頃後にし、次なる終着目的地、手賀大橋たもとの『道の駅しょうなん』へ。
[散策快適!] 手賀沼の南岸沿い導水路上の例の舗装道路を行く。この頃になると薄日が差し、相変わらずひんやりとしたそよ風に吹かれながらも、遥か手賀大橋を目指しての歩行は気持ちよい。なんと言っても自動車の通行がないのがいちばん心安まる。眼下の「きれいになった」水辺には、ところどころに留鳥となった白鳥のつがいが見られ、葦の茂みからは「ギョギョシ、ギョギョシ」とヨシキリの鳴声。ツバメも飛び交う。排気ガスのない空気を深呼吸しながら歩を進めていくと、手賀大橋の影も次第に大きくなってくる。
[高層ビル林立] 対岸の我孫子市街の風景も一頃から見ると、高層マンションがかなり増えて都市化が著しい。旧沼南町の南岸にも介護施設や病院など無機質の高層建築が目立つ。往時『北の鎌倉』と言われた我孫子も手賀沼周辺も、自然の景観がだいぶ失われてしまったが、これも時代の流れで詮無いことなのか。
[野鳥が減った?!] 道連れで歩いた前年度散策会世話人の榎本氏(我孫子野鳥の会会員)のお話では、水質がよくなったのに手賀沼に飛来する野鳥の種類は、以前よりも減っているとのこと。原因には諸説あるが、導水路埋設に伴う立派な遊歩道ができて、散歩やサイクリングをしたり、バードウォッチングしたりする人間の往来が増えて、それを嫌ったのではないか、つまり、こうして我々が湖畔の散策を楽しんでいるのも、鳥にとっては安全を脅かされることになるのではないか、と言う説もあるそうだ。だとすれば、人間社会が 水質浄化=自然 をとりもどそうとしでかしたことのツケが 野鳥=自然 に回されたことになってしまって、結局は人間社会が慌てているわけだ。しかし、そのような構図は今や珍しくない。
[乾杯! また楽しからずや!!] そうこうするうちに、1時間ほどで『道の駅しょうなん』到着。予定通り4時03分発バスに乗車、我孫子駅へ。柏の居酒屋に16人全員参加で交流会を持つ。初参加者の自己紹介、高口氏(S36法 福岡出身)、赤堀氏(41法 横浜)、西山氏(本日の紅一点、48文・西洋史 東京豊島区)が各々ユーモラスに自らを語ってくれました。交歓懇親を深めて5時半過ぎに散会。
今回の世話人・漆野氏には大変お世話になりました。小生は2年半ぶりの参加でしたが、意義ある楽しい半日を過ごすことができました。有難うございました。
今井 宏(1957卒 文学部 英文卒)