第36回流山稲門会の散策会が実施されたのは11月25日(日曜日)。当日参加したのは、紅一点の菅原さんをはじめ、高林、塙、小林(俊)、山本(正)、小笠原、秋田谷、青山、山本(武)、榎本、牛島、北原、石橋、河合、亀田、小島、詫摩、漆野の18名の諸氏であった。小生が参加したのは2回目である。忘年会散策会に参加したのは初めて。
参加者は14時に日比谷線の北千住駅の改札口内に集まり、遅刻者もなく出発した。2つ目の三ノ輪駅で下車。地下鉄の駅を出ると、そこは明治通りと昭和通りの交差する要衝であった。そこから、2、3分のところに「浄閑寺」、通称投げ込み寺がある。吉原の遊女が数え切れないほど、ここに“投げ込み”同然のように葬られたという。本堂裏の墓地には遊女たちを供養する新吉原総霊塔がある。作家永井荷風はそんな遊女たちに思いをはせ、度々足を運んだという。
投げ込み寺から15分ほどの所にあるのが、「一葉記念館」。ここには樋口一葉の草稿や書簡等の資料が展示されている。殊に「たけくらべ」は一葉が母親と妹の3人で龍泉寺町に住んで、荒物駄菓子店を営みながら生活したその体験を素材にして書かれた小説である。昭和36年に我が国初の女流作家の単独資料館「一葉記念館」として開設されたが、その後、一葉が「新5千円の肖像」に決まった後に「浄閑寺」平成18年11月に同じ場所に新記念館が完成した。新記念館で見た一葉はかなりの美人であった。24歳で短い生涯を閉じたが、本当に惜しまれる。ぜひ見学したいスポットである。
そこから3分ほどの所に「飛不動」がある。竜泉町の「とぶふどう」として親しまれている。昔、当寺の住職が本像を持って大和の大峰山へ修行に行った折、像は一夜にして江戸の当地へ飛び帰り、人々にご利益を授けたというのがその由来。近頃は航空安全の守護神としてモテモテらしい。
すぐ近くには酉の市で名高い「おおとり神社」がある。11月の酉の市は終わったばかりで、境内にはりめぐらされた熊手の櫓の様子が当日の賑わいを偲ばせる。熊手は幸運や財産をかきこむとして縁起物となり、開運や商売繁盛の御守りとなったという。
「おおとり神社」
山本(正)・河合・山本(武)・北原・菅原・青山・石橋・小林(俊)小島・塙・榎本・小笠原・詫摩秋田谷・牛島・高林・亀田
そこから5分ほどで吉原に着く。江戸時代に遊郭として栄えた吉原も今では、国内随一といわれるソープランド街である。黒い服を着た兄さんが入り口に立ち、一見の客が簡単に入れそうもない雰囲気がある。入れてもらっても、そんな元気もないのは言うまでもないが…。吉原から一路、浅草へ向かう。「江戸下町伝統工芸館」に立ち寄って、職人の技を見学してから、TX浅草駅横にある「うな鉄」に集合した。千葉県支部の打ち合わせから駆けつけた鈴木さんも宴会に参加し、会は大いに盛り上がった。散策した後の一杯のビールとうなぎのうまさ。また、来年も参加しよう…。
河合 基吉(1970年 政経学部 経済卒)
(完)