俳句の会「交譲葉」30年2月句会報告 |
- 開催日時 30.2.24(土)10:00~12:00
- 開催場所 生涯学習センター C―201会議室
- 参加者 宮内・小西・漆野・青木・森川・菅原・安居の7名(投句は9名)
- 兼 題 兼題「白菜」
- 選 句 5点句(2)、4点句(1)、2点句(8)、1点句(6) を選句した。(5点句)白菜の二分の一に観る仏・・・・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)白菜という日常的且つ平凡な野菜を詠むのは難しい。選者はこの句の着想点、切り口のオリジナリテイを評価した。白菜を縦に切ると、外側の固い葉から内の柔らかい葉迄みっしりと多層になっている。作者はこの葉の重なりを仏が座す蓮のうてなに見立て、「つと」に包まれた仏を想像したのだろうか。
尤も仏が形態ある実体的であれば、二分の一にカットするとどうなるかの疑問が湧くが、概念であり、観念であるから良いのである。(悠閑亭徹心ペダル踏み春を迎えに一走り・・・・・・・・・菅原 互酬
(選評)この冬はとにかく寒いですね。大雪も降りインフルエンザも大流行しました。暦を見れば立春、雨水を過ぎたとはいえ、まだ二月。早くこの寒さから抜け出したいというのがこの句です。
そして炬燵の中で背を丸くしているのではなく、積極的に自転車を南に向かって漕ぎ出している元気さが良いと思います。(鷹 嘴)
(4点句)寒昴指に息して祈りたり・・・・・・・・・・・青木 艸寛
(選評)
俳句に詠んでみたい言葉が幾つかありますが「昴」もその一つです。何かの歌に「星に祈りを」と言う一節がありましたが、見上げる星に思いを伝える姿は自分とも重なります。凍てつく寒さの中、手に息を吹きかけながら作者は何を祈っているのでしょうか。
「けり」と「たり」で意見が分かれ、それぞれ文法上の使い方があるようですが、個人的には作者の「たり」の方が余情が残るようで良いと思います。(小西 小牧)
(2点句)
自己主張薄き白菜愛されて・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
大雪となるべし首都は早仕舞い・・・・・・・・・小西 小牧
縁側に白菜干してうたた寝す・・・・・・・・・・鴇 香子
車イス老婦の膝掛けピンク色・・・・・・・・・・武 美
羽ばたきの風の軽さや春隣・・・・・・・・・・・武 美
白菜や鉢巻をして立ちにけり・・・・・・・・・・夢 心
刈り込んだ庭木の上の雪帽子・・・・・・・・・・夢 心
冴えわたる地球(テラ)の影見ゆ地球住みて・・・鷹 嘴
(1点句)
故宮館翡翠に美神白菜に・・・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
残雪を蹴りつの登校楽しげに・・・・・・・・・・悠閑亭徹心
春寒やカテーテル頼りの昨日今日・・・・・・・・漆野 達磨
山茶花の垣根賑わう空き家なり・・・・・・・・・鴇 香子
出開帳千手観音春を呼ぶ・・・・・・・・・・・・菅原 互酬
巡回のバス遅れ来る春浅し・・・・・・・・・・・鷹 嘴
(投 句) 民泊や女将と並び白菜鍋・・・・・・・・・・・・小西 小牧
豆まきの声消え久し界隈に・・・・・・・・・・・小西 小牧
白菜や上席に座して光りをり・・・・・・・・・・漆野 達磨
節分や福は内は何時のこと・・・・・・・・・・・漆野 達磨
冬枯れの庭の実探すカケスかな・・・・・・・・・鴇 香子
北大地店に山なる大白菜・・・・・・・・・・・・青木 艸寛
雪解けに吾も溶かしたや頑固癖・・・・・・・・・青木 艸寛
大株の白菜前に思案顔・・・・・・・・・・・・・武 美
霜柱砕けて融けてぬかるみぬ・・・・・・・・・・夢 心
白菜の隙に忍ぶや塞ぎの虫・・・・・・・・・・・鷹 嘴
- 句会後記(漆野 達磨) 部屋の外は連日の寒さで、いい加減にして欲しいが、月1回の句会は推敲を重ねた(ひとも居る)会員の熱気で、エアコンの温度を下げる程だった。作句にかける時間は会員それぞれで、推敲を重ねた作句が高得点かというとそうでもないようだ。締切前日の一夜漬けの投句でも会員の心を掴めば入賞するところが我らが句会「交譲葉」の特徴だ。努力すれば必ず報われる・・・この言葉はインタビューを受けるアスリートが必ず口にする言葉だが、4年間の努力の継続、半端ではないですね。
俳句でも努力すれば報われるか・・・。 (以上)