「割烹新川屋」今昔
(割烹新川屋旧本館)
流山市と野田市の間を流れる利根運河の土手上に新川屋が建てられています。
創業は明治25年で当時は川を挟んだ対岸の窪田酒造の前に在りました。現在の建物
は昭和8年築でその後昭和17年に現在地に曳家されました。建物内部は料理旅館
当時の様子が残っています。敷地はおよそ2万3千坪。大正10年生まれの女主人
石川綾子さんの幼少の頃の記憶によればカラオケならぬ三味線や唄声が運河の川面に
響き夜ごと賑やかであったとのことです。新川屋には料理の舌づつみと周辺の桜並木
に魅せられて多くの文人墨客が訪れています。「利根川隋歩」の著者である添田知道氏
は流山や利根運河について著述しており又新聞界に大きな足跡を残した随筆家の
杉村楚人冠氏も幾度となく新川屋や利根運河を訪れたとされています。
新川屋には悲しい話もあります。終戦間近柏飛行場(現在の柏の葉公園付近)の若き
特攻隊員たちの壮行会が開かれ酒宴がとり行われました。明日の命も知れぬ若者たちを
慰労したのです。翌日兵士は戦闘機で新川屋上空を2,3回旋回し最後に翼を上下に揺らし
て飛び去るのを女将や従業員が日の丸を振って見送りしたそうです。
令和4年1月新川屋の建物は流山市の有形文化財に指定され旧本館は近々観光情報
センターとして市民に開放する予定との事です。別館は日本料理「鰻割烹新川」
とフランス料理「ブラッスリー新川」として営業しています。
(鰻割烹新川店内)
(ブラッスリー新川店内)
注記)料理の詳細料金等は新川屋のHPを参照下さい。
↓をクリック願います。
https://www.toneunga-shinkawa.com/
高橋 則行(4区 1969年教育卒)