散策会

(第34回)『梅雨の晴れ間、布施弁天とあけぼの山公園を歩く』

7月8日(日)梅雨のさなか、朝まで天候が懸念されたが、集合時間の3時になると曇ってはいるものの、雨の心配は消えた。3時集合は散策会としては珍しく、新鮮な企画だ。

定刻10分前には東武線柏駅改札前に9名全員集合(敬称略・・・石橋、漆野、牛島、榎本、奥野、上谷、森川、山本(正)、川口)、西口より「布施行き」の東武バスに乗り込んだ。ほどなく空が明るくなり、日が射しはじめ絶好の散策日和となった。「布施入口」を過ぎると閑静な町並みになり、30分ほどで、バスは終点「布施」に到着した。

森川・牛島・上谷・石橋・榎本・奥野・漆野・川口・山本(正)

 

下車すると、目の前に「布施弁天」の山門がある。布施はかって江戸と東北方面を結ぶ利根川水運の要所として、また日立、筑波方面に続く布施街道の宿場として大いに賑わいをみせたようだ。その中心になった「布施弁天」は弘仁14年(823年)弘法大師空海が伽藍を設立、「紅竜山東海寺」という山号寺号を定めたといわれ、浅草、江ノ島と並ぶ「関東三大弁天」の一つである。

寺の正面には見上げるような石段が続き、中ほどには弁天様にちなんだ竜宮造りの重厚な楼門があり、さらに石段を登りつめると鮮やかな朱色に彩られた本堂が聳え立っていた。現在の本堂は享保2年(1717年)に創建のもので、内部、外陣の天井の鏡板には狩野探舟による竜が描かれ、風格を感じさせる。本堂を出ると三重塔や鐘楼があり、さすがに歴史の重みを感じる佇まいである。「正月三が日」や「節分会」ではにぎわう境内も今日は参詣者もまばらで、その静寂に安らぎを感じる。近場にこのような名刹があるのは嬉しい限りである。

記念撮影の後、山門を下ると一帯が「あけぼの山(農業)公園」であり、先ず目の前の「日本庭園」に向かった。入場無料のわりには、手入れがよく行き届いており、池には大きく肥えた鯉が群がっていた。記念撮影の際に、漆野さんが草むらの中にアオガエルを見つけ、捕まえて一緒に写真を撮ろうとしたが、するりと草むらに逃げ帰った。童心に返った瞬間である。

そこから柏きっての桜の名所と言われる「さくら山」を歩いて「水生植物園」に向かった。ハナショウブは既に終わっていて残念だと話し合っているところに、網と虫かごを持った小学校3~4年生くらいの男の子がやってきた、虫かごの中を見せてもらうと5センチほどの大きなカブトムシがいた。誇らしげにここで捕まえたというので、「じゃあ頑張ってもっとたくさん捕まえてね。」と言ったら、お返しに「おじさんたちも頑張ってね」と言い、去って行った。そこで「頑張って」の意味が話題になった。「頑張って長生きしてね」か「頑張って歩いてね」かそれとも「何か目標に向かって頑張ってね」の意か皆さんも想像を膨らませていただきたい。

睡蓮もまだ開花しておらず、植物園を出て「展望台」に向かう。

「展望台」からは青空の中、「あけぼの山」のシンボルである風車が我々を迎えてくれた。背景に利根川の土手や畑、さらに遠くには取手市街も見渡せ、見事なパノラマである。「展望台」を下るとひまわり畑が一面に広がり、開花はしていないが、しばらくすれば見事な黄色で覆い尽くされることが想像される。

「あけぼの山」と言えば、チューリップやコスモスで象徴されるが、ひまわりも見事のようだ。バーベキューガーデンを右手に見ながら、「アスレチックゾーン」や「白百合の滝」の前を通り、公園の正門を出て、「あけぼの山公園」を後にした。のどかな畑を見ながら、5分ほどで「あけぼの山公園入口」のバス停に着き、坂東バスで約15分、我孫子駅に到着した。シーズンオフではあったが、お陰で人が少なく、大自然の懐に抱かれリフレッシュ出来た貴重な散策であった。

反省会は柏で開催。晴天の中、広い「あけぼの山公園」を歩いたので、さすがに乾いたノドを潤すビールは最高であった。初参加の上谷氏の入会挨拶もあり和やかな懇談で締めくくった。

今回周到なプランを立て準備頂いた山本正紀世話人に、感謝の意を表したい。

川 口  清(1963年 法学部卒)