散策会

(第22回散策記)初秋、快晴の鎌倉を満喫

 

源氏、北条氏の栄華の跡と日蓮上人縁の寺を訪ねる。

(第3回鎌倉散策・企画立案:奥野靖三・世話人:漆野達夫)

開催日: 平成17年10月2日(日)

参加者: 秋田谷、牛島、漆野、奥野、川口、小島、詫摩、野中、森、山本(彰)、山本(正)、榎本の12名

(敬称略)

集合解散: 集合 JR柏駅 7:30 (JR鎌倉駅 9:40) 解散 JR柏駅 17:40

反省会: 柏駅西口「吉春」会費1,500円

鎌倉まで: 柏駅発7:37常磐線→日暮里駅乗換え→東京駅発8:25東海道線→大船駅乗換え→鎌倉駅着9:20

訪問場所: ①宇都宮辻子幕府跡②若宮大路幕府跡③東勝寺跡④腹切りやぐら ⑤宝戒寺⑥大蔵幕府跡⑦源頼朝墓⑧荏柄天神社⑨瑞泉寺⑩杉本寺⑪釈迦堂切通し⑫妙法寺鎌倉から JR鎌倉駅発15:56→JR柏駅17:40午前7時30分、柏駅集合組10名は午前7時37分常磐線に乗り、日暮里経由で東京駅、東海道線大船駅乗換えで鎌倉駅着は定刻の午前9時20分。鎌倉駅集合組秋田谷さん、小島さんと合流。一同揃って鎌倉駅出発が午前9時35分。

10月初めというのに真夏を思わせる日差し、しかし、初秋の雲ひとつない抜けるような紺碧の空。まさに絶好の散策日和。若宮大路を横切り、まず鎌倉幕府跡を訪ねる。執権北條泰時が大蔵幕府より移設した宇都宮辻子幕府、更に移設した若宮大路幕府、それぞれ幕府跡を示すものは石碑のみ。若宮大路幕府跡の近くに、鎌倉文士として名を馳せた大佛次郎の旧宅がある。門に本名の野尻と「大佛茶廊」の札。若宮大路に平行する小町大路の東に、古都にふさわしい滑川が流れている。

銭10文を落とした青砥藤綱が50文出してたいまつを買い、銭を拾わせたと伝えられる石碑が橋の袂に。ここから緩やかな坂道を詰めると東勝寺跡腹切りやぐら。北條氏の菩提寺、東勝寺があった所で、新田義貞の鎌倉進攻時に炎上した北條氏終焉の地。この戦いで自害した武士の墓が腹切りやぐら。再び小町大路に出て、萩の寺として親しまれている宝戒寺へ。この地に北條高時邸など北條一族の館があったので、北條氏の鎮魂のために後醍醐天皇の命により建立された寺。本尊は地蔵菩薩、南北朝時代の傑作で重要文化財。境内や参道には椿、梅、桜なども見られるが、主役は源氏の白に因んだ白萩。拝観料100円 この後、各訪問先拝観料の支払いは一括して企画立案、ガイドも担当された奥野さんにお願いすることになる。

小町大路を辿り、頼朝が開いた大蔵幕府跡を示す石碑を経て、源頼朝墓へ。頼朝の遺骸が納められた法華堂の跡地に、1779年島津重豪によって造られたと伝えられる。石造りの多層塔の形式。頼朝の墓の下に白旗神社がある。祭神は頼朝。源氏は白旗、初秋の風に何本もの白旗神社の旗が揺れていた。

近くには荏柄天神社。大宰府、北野とともに三天神と称される。1104年の創建で将軍家や足利氏(鎌倉方)から尊崇された。祭神は菅原道真。合格祈願の絵馬が数多く奉納されており、境内には学問のシンボル筆にちなんで、清水昆、横山隆一など154人の漫画家による筆の供養塔河童の絵筆塚がある。道真の愛した梅の他ひときわ目を引く大銀杏、色づく晩秋は見事であろう。ここから程近い鎌倉宮境内の休憩所で昼食となる。予定より早い11時15分。休憩所の「ざるうどん」を注文された秋田谷さん以外、大船軒の「鰺の押し寿司」などを持ち込んだ諸兄は各々休憩所使用料100円を支払う。昼食後の話し合いで、午後1時を予定している覚園寺の前に瑞泉寺を訪ねる案が浮上。時間的に十分ゆとりがあり、11時45分瑞泉寺に向けて出発。

瑞泉寺は鎌倉宮から徒歩約15分。春の若葉、秋の紅葉が素晴らしい紅葉谷を背後に1327年の創建。開山は夢窓国師。足利基氏が中興、関東十刹の第1位。本堂裏の庭園は夢窓国師によって作庭され、昭和45年発掘復元された。滝、池、島、洞窟などを配し男性的風貌を漂わせる。特に花の寺として親しまれ、新春の水仙、2月の梅は有名。他にツツジ、椿、桔梗、萩など四季折々の花に寺は包まれる。春先訪れると梅の仄かな香り、水仙の明るい色に瑞泉寺の良さを一層味わうことができるだろう。拝観料100円。瑞泉寺から同じ道を鎌倉宮まで戻り、薬師堂ガ谷の奥にある覚園寺に向かう。拝観予定は1時から。鎌倉で唯一の寺僧の案内で見学する寺、鎌倉の北方の谷戸に1218年北條義時によって創建された薬師堂から発展した。1354年に足利尊氏が仏殿を建立し、この仏殿の化粧梁に尊氏自筆の銘が残されている。この寺には、本尊の愛染明王坐像、不動明王坐像、薬師如来像、日光菩薩像、月光菩薩像をはじめ国・県・市指定の重要文化財が多いが現在何点かは鎌倉国宝館に貸し出し展示中とのこと。なお、境内に移築されている市内旧深沢村の庄屋宅だった江戸時代の古民家、旧内海家住宅(県指定重要文化財)は奥野さんの高校時代の友人の家だったとのこと。ビックリですね。説明付き拝観料300円。金沢街道に出て、やがて急な階段を登り仁王門をくぐると杉本寺。到着が午後2時12分。堂前には奉納した杉本観音の旗が並んで秋風にたなびいている。鎌倉最古の寺で734年行基が創建したと云われる。坂東三十三観音の第一番の札所。この寺の裏山の杉本城は、1337年北畠顕家の鎌倉攻めの際、1日で落城した。境内にこの戦いで亡くなった武士を弔う沢山の五輪の供養塔がある。堂内に上がり、十一面観音立像を拝見。柱や梁には千社札が貼られ線香の煙が立ちのぼっていた。拝観料は200円。杉本寺を後に滑川を渡り、金沢街道側の雪の下地区と名越地区とを結ぶ釈迦堂切通しにさしかかる。岩をくり抜いた洞門形の切通しで、付近には北條時政の屋敷があった。「落石注意」の立て看板が出ている。ここは鎌倉の切通しの中でも最も趣があり、一同洞門をバックに記念写真。

 

シャッターを押してくれたのが、偶々通りかかった鎌倉歴史研究の著書もある御仁とのこと。切通しを下り、名越の谷沿いをたどり左折するとやがて妙法寺。1357年護良親王の遺児、日叡上人が日蓮の小庵跡に建立した寺である。仁王門から釈迦堂跡へと到る石の階段が一面苔でおおわれているため、苔の寺と云われている。裏山に護良親王の墓があり、ここから由比が浜や稲村ガ崎方面が見渡せるとのことで深山の趣のある中、長く急な石段を登り墓にたどり着く。振り返ると、彼方に鎌倉の海が秋の陽光に輝いて見える。今日の散策の掉尾を飾る快挙だ。拝観料300円。予定されていた安国論寺、妙本寺は時間と体力を勘案して見送りとなった。いずれ機会を見て是非訪れたいと思う。名越のバス停から15:45鎌倉駅行きのバスに乗る。運賃170円。鎌倉駅発15:56の横須賀線に乗り込み新橋駅で山手線に、さらに途中京浜東北線に乗り換え上野駅へ。柏駅着が17:40。ここで解散となる。お疲れ様でした。

反省会は柏駅西口の「吉春」。世話人漆野さんのご尽力で予約の会場は1階の喧騒を離れ2階。効きすぎた冷房の温度を調節、ゆったりと足をのばし、カンパイの声も待ち遠しく、乾いた喉に冷たいビールやコーラを流し込む。明るく和やかな話の輪が広がり、諸兄の顔には今日1日、晴天、夏日、10キロを超えるタフな行程ながら秋の涼風も味わい、鎌倉散策の奥深さを体験できた充足感が溢れていた。午後6時45分お開きとなる。

<追記>

年1回、10月に行なわれたこの鎌倉散策は3回目の今年で一応ピリオドを打つことになりました。企画を全面的に担当され、現地でのガイドも務められた奥野靖三さんに心からお礼申し上げます。1回目は代表的なスポットを網羅し、2回目はリピーターも満足させる趣のあるコースを、そして今回、3回目はこれ以上ない快晴にも恵まれ、古い最も鎌倉らしい上級コースを案内していただきました。最後はやはりこたえましたが、そんなことを忘れるほどの散策の楽しさを味わうことができました。末尾ながらお礼とさせていただきます。

(この夜NHK放送の体がドラマ『義経』の舞台は、図らずも1回目に訪れた腰越状で有名な満福寺でした)

榎本 右(1960年法学卒)

(完)